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メッシやクリスティアーノ・ロナウドだけじゃない。自分たちのスーパースターを忘れるな!

今の若い世代にマラドーナやクライフの凄さを語ってもなかなか伝わらない。みんなが当時のスターを忘れる前に「彼らへのリスペクトと、知らない世代の人たちが興味をもつきっかけになれば」という想いからノスタルジックコレクションを作った植田朝日さんに話を聞かせて頂いた。

Icône 16466945 810048175800857 1247399717 nKoike Kikuchi | 2020/02/09
――まずは、ノスタルジックコレクションを作った理由を教えてください。  

植田:ヨーロッパなどでも20年前くらいからこういうのが流行っていて、高校時代にイギリスに住んでいた時に、既にレトロユニフォームという文化がむこうではありました。今のユニフォームを着るよりは、昔のをという流れがあったんです。   

背番号15の釜本さんモデルの日本代表のユニフォームも売っていたんです。「釜本さんスゲエ!」と思いましたよ。高校時代にはレトロのビンテージものや、オマージュものなどが流行っていました。

――そんな以前から流行っていたんですね。  

植田:ボンボネーラという会社を作って、1番初めにそのようなことをやったんです。そこからまた時代が経っていって、昔のノスタルジックなものに対する気持ちが日本人は薄くなってきたのかなと感じています。原点回帰もあるし、当時のスーパースターに陽の目が当たるきっかけになればと思って今回やろうと思いました。

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――まずは4人の選手のパーカーをやろうと考えたんですか?   

植田:まずは2人でした。誰にしようかと考えた時に、同世代の周りの仲間と話すと必ず出てくる名前が「ディエゴ・マラドーナ」と「ヨハンクライフ」になっちゃうんです。   

ここで面白いのが俺らの世代的には「ジーコ」とか「プラティニ」になってもいいはずなのに、「マラドーナ」なんだよね。   

「クライフ」であって、ドイツの「ゲルトミューラー」とか「ルンメニゲ」とか「ベッケンバウアー」にはならないんですよ。   

なぜか「マラドーナ」と「クライフ」。   

世界で、こういうレトロラインがでると、恐らく世界中でそうなると思うんだよね。カッコいいのは「マラドーナ」と「クライフ」だと。
 
  
「どの時代にするか?」となった時にアヤックスのクライフとかバルセロナのクライフじゃなくて、クライフだとオランダ。オレンジの14番で、14=クライフみたいなことがあったから。間違いないだろうと。 

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次にマラドーナ。当然アルゼンチン代表でワールドカップを取った時の印象が強い。じゃあ他は?と考えた時にバルセロナやナポリやボカなど色んなチームで活躍したけれど、やっぱりナポリ。   

ナポリの太陽というかあの弱いチームをたった1人の力でヨーロッパの強豪にして、イタリアを制しちゃった。マラドーナはやはりナポリでしょ!と。   

 
あとはアパレルとして着ることを考えると、オレンジや水色というのはちょっと着づらいかもしれないけれど、逆に今だとキャッチ―かなと。   

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――まずはクライフとマラドーナ。その後はどうされたんですか?

植田:第2弾に何を出そうと考えた時に、大好きなロマーリオを作りたいねとか意見が出ました。ロマーリオを表現するとなるとブラジル代表の黄色で、ただ黄色のパーカーは着づらいよなと思うし。

逆にブラジルと言ったらロマーリオもいいけど、ロナウジーニョもいいなとか選択が難しくなってくるので、いったんブラジルはやめとおこうと。   次は誰だ?となったら、バティストゥータじゃないかと。バティだったらどこのユニかと考えた時に、アルゼンチン代表だと白と水色の表現は難しい。
 
  
ボカかフィオレンティーナかローマかとなった時に、ローマはいいけどこの先にマッドで出したい選手いるよなと思って、フィオレンティーナの紫かなと。

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このように選手の1番いい時のイメージとアパレルに落としやすい色で考えていく。ノスタルジックでペレが出てこないとこも面白いですよね。   

その後がドイツ。白いイメージを出したくてイングランドかドイツだなと考えました。 

イングランドのスリーライオンも凄く表現しやすいけれど、ノスタルジックラインでいったらガスコインかなと思って。ガスコインを次でやるとしたら、今回はドイツだろうと。
 
 
「ドイツで誰?」となったら90年の優勝メンバーで日本に来たブッフバルトもいいし、マテウスもいいし、やっぱりカッコいいのがクリンスマンでしょってなって。 

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――クリンスマンは確かにカッコ良かったです!
  

植田:俺は、子供の頃に「キン消し」を集めていて、全部は集められなかったけれど、大人になったら大人買いできて、子供の頃に憧れていたものって永遠だと思うから。   

今の若い子からすれば、何だかわからないけれど古くてダサいみたいな。1週まわって「ダサカッコいい」みたいなとこを狙いたいかなと。お洒落にするのではなくて、テーマは「ダサかっこいい」かな。   

今の若い子たちが、野球に落とし込んだときに王さんや長嶋さんのユニフォームが欲しいかといったら欲しくないだろうし、落合さんのが欲しいだろうかといったら、そうでもないような気がするんだよね。だけどその当時のファンからすると「こんなの持ってるの!」という感覚。   

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極論で言うと買ってくれなくても、これを見て「こんなの作ってるんだ~!」と話題になってくれて、思い出してくれてYoutubeでマラドーナとかクライフの動画を検索して、見てくれて「凄いね~」って言ってくれるだけで勝ち。   

ネタ的には売れて欲しいという意識よりかは、みんなが忘れる前にリスペクトと古い選手に興味のない人たちが見てみようというきっかけになれば。   

「メッシやクリスティアーノ・ロナウド凄いよ!でもマラドーナの方がスゲエんじゃね」とか勝手にそういう風になっていったら嬉しい。自分たちのスーパースターを残していくみたいなね。それがテーマかな。   

――こういうことがないと忘れられていっちゃいますもんね。  

植田:俺がドーハとかジョホールバルの映画を作ったのも同じ理由で、今はワールドカップに行けて当たり前だから、今の選手達のほうが上手いに決まってるんだけど、あの人たちがどう戦ったから今があるんだっていうのを残さなければいけなくて。   

むしろあの人たちが、今は監督とかコーチになって結果を残さないと「ふざけんな!やめろ」って言われるわけでしょ。   

でもただ「監督、コーチをやめろ!」と言われたりするんじゃなくて、こんな人なんだって知って欲しいなということで映画を作ったんだよね。   

自分が若い頃におっさんの人達が俺にそういうことを伝えてくれなかったから、逆に俺は若い奴には必要ないのかもしれないけれど、伝えてあげたほうがいいのかなという感じです。   

だから第3弾、第4弾とどんどん出すと思うし、オリンピックに向けても考えていきたいです。   

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(Avoir)

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