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埼玉西武ライオンズの二軍球場が「CAR3219フィールド」としてリニューアル!

新しい球場が幕を開けた。所沢にあるメットライフドームと同じ敷地内、二軍用の旧西武第二球場が「CAR3219フィールド」として生まれ変わった。周辺施設は「自然共生型ボールパーク」として総工費180億円をかけ、全面的に改修が進められている。老朽化していた若獅子寮、室内練習場は既に取り壊され、新しい寮と12球団最大規模の室内練習場を持つ「ライオンズ トレーニングセンター」が登場。旧施設の跡地には、新しいブルペン、そして練習用のサブグラウンドが併設された。

Icône img 20200702 114958 井上 尚子 | 2020/07/31
この「CAR3219フィールド」は6月30日に竣工し、報道陣にも公開された。7月15日の対読売ジャイアンツ戦を「こけら落とし」として、現在イースタン公式戦が行われている。

しかしながら、新型コロナウィルス感染予防対策として、今季いっぱいは無観客で試合が行われると発表されている。来年以降、さらに充実した周辺施設とともに、よりファンの集まる球場に、そして若いライオンズ選手たちがより強く鍛えられる場所になっていく予定だ。

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新しい室内練習場を右に見て、階段へと坂道を上っていく。そこはライオンズロードとしてファンが集える場所になっている。ファンデッキでは室内練習を見ることが出来る。

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道の向かい側にはテーブルと椅子が用意されているから、カフェで買ってきたものを食べたり、選手の話をしたりという憩いの場になりそうだ。

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「CAR3219 FIELD」と書かれた入場門をくぐり階段を上がると、フェンスで仕切られた通路がある。そこは選手がファンにサインをしたり記念撮影をしたり出来る「ふれあい広場」となる。今までもそうした光景はあったが、よりしっかりと動線を分けて対応を可能にした印象がある。

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通路を過ぎると門があり、バックネット裏には立ち見60人を含む300人収容のスタンドが新しく出来た。今までは何箇所かにベンチがあるだけで、立ち見や斜面に座っての観戦が多かった球場だ。観戦風景は一変する。

バックネットも黒く細いネットフェンスを使っているので、視界は良好だ。カメラ女子にも良いのではないだろうか。席の座り心地も悪くない。有料にするかどうかはまだ検討中ということだったが、これだけの席なら有料でも文句はない。

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手でスコアを掲出していた昔ながらの木のスコアボードは、色鮮やかなLEDビジョンとなり、さまざまな文字や画像、動画も表現できるようになった。スターティングオーダーはもちろん、球速表示や球数表示も出る。場内の音響も確実に変わるから、音や映像を使った演出の幅も広がることだろう。


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今までの西武第二球場では、特にファンのためのイベントは催していなかった。公式戦のホーム最終戦で、ファンと選手のハイタッチが行われる程度だったという。

まだどう使われるか未定な部分は多いが、ファンを集められるようになれば、ファンに向けたイベントも行われるようになるかもしれない。

スタンドの下には放送室、中継ルームや選手控室、医務室、観客用のトイレなども設置された。ダグアウトには冷房と扇風機があるそうだ。トラックマンも設置されている。

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ファンの目には触れないが、外野の奥には新たな練習エリアが作られ、来年には
ビジタークラブハウスも完成する予定だ。

そして、以前には若獅子寮と室内練習場のあった部分に、屋根付きブルペンとサブグラウンドが設えられた。

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ブルペンは5レーンある。芝生も目に鮮やかだ。ブルペン脇には立派なベンチがある。すぐ隣に一軍球場があるのだから、恐らく一軍首脳陣が気になる選手を見に来ることもあるのだろう。

サブグラウンドが出来る前は、投手が打球に気を付けながら球場内で練習をしていたという。投手・野手で練習場所を分割し、効率的に安全に練習を行うことが出来るようになる。


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西武ライオンズは、12球団で唯一、一軍と同じ敷地内に二軍球場があるチームだ。

二軍の若手選手たちは、常に一軍を意識する
ことになる。一軍球場へはファンが多数訪れる。二軍球場でプレーしながら、選手たちにはメットライフドームの歓声が間近に聞こえるのだ。

その声を聞き、一軍選手の存在を間近に感じながら、そこへ行くための力を得ようとする。球場が出来ていく様子を食堂の窓から見て、「まだかな?まだかな?」と楽しみにしていたという松井稼頭央二軍監督は、自身も西武第二球場から見る一軍球場を「近いようで遠い場所」に感じていたという。

「今はもっともっと野球に打ち込める環境が整ったと思います。これから『CAR3219フィールド』で、選手をしっかりと育てていきたいと思います」。

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二軍選手のモチベーションは、さらに高くなるだろう。新しくなった球場には、一軍の試合を見るために来たファンが立ち寄ることもあるはずだ。選手の鍛錬とファンの応援との相乗効果も期待したい。

また、昨秋からは西武ライオンズに新たに三軍が新設されている。既に三軍制を敷いている球団の育成力に追いつくべく、ライオンズは球場周辺施設の新設を機に舵を切った。

統括コーチは経験豊富な田邊徳雄氏。二軍、三軍という構造も、選手たちに危機感と競争意識を与えることになるはずだ。

現在イースタンでは楽天が首位を走っており、巨人が後に続いている。西武は3位だ。ファームの環境や育成システムの強化が、どのように選手を変えていくのか。ファンにとっても選手の成長を見守る楽しみがある。

新生「CAR3219フィールド」とファームの動向に注目したい。足を運べない間はパ・リーグTVの配信で楽しめる。