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最も効率的に戦えているチームとは?攻撃力と守備力のバランスで躍進するJリーグのクラブを徹底分析

サッカーJリーグは、2月14日にJ1が開幕し、続いて2月15日にJ2およびJ3が開幕した。現在、2025年3月31日時点で第7節まで終了している。開幕からまだ間もないが、2023-24シーズンと2連覇のヴィッセル神戸がまさかの下位に停滞。J3からJ2に昇格したRB大宮アルディージャは、昨年の勢いのまま上位をキープするなど波乱が起こっている。まだ序盤とはいえ、2025シーズンの開幕から攻守において効率よく戦っているチームはいるのだろうか。開幕から直近の試合結果やチームスタッツを分析し、効率的に強さを発揮しているチームを読み解いていこう。※トップ画像出典/photoAC

Icon arata illust2 眞木 優 | 2025/03/31

高精度なシュートと堅守で突き進む鹿島アントラーズ

2025シーズンの鹿島アントラーズは、J1開幕から6試合を終え、4勝1分1敗の勝ち点13で首位に立っている。総得点12、総失点4、得失点差+8と、攻守両面で安定した成績を収め直走っている。攻撃面では、シュート精度と効率性の高さが際立ち、1試合あたりのシュート数は12.3本でリーグ上位に位置。さらにシュート決定率は16.2%とリーグトップの水準を記録。少ないシュート数でも効率的にゴールを奪えている点が特徴といえる。加えて、枠内シュート数も1試合平均5.5本と高水準であり、フィニッシュの精度が見て取れる。シュート数が多くなくても、効果的なチャンスメイクと確実な得点力で勝ち点を積み上げているのが、今シーズンの鹿島の強みだろう。

一方、1試合平均パス数は421本でリーグ下位に位置し、パス成功率も73%と低めの数値を残している。ボール支配率を見ても46.1%と50%を下回り、相手にボールを保持される時間が長い傾向にある。だが支配率が低いにもかかわらず失点数は少なく、相手に決定機を作らせていない守備陣が注目される。鹿島は、攻撃から守備への切り替え時に全体が連動してボールを奪い切る。そこから素早く攻撃へ転じるスタイルを展開している。また、チーム全体の走行距離は、1試合平均117kmとJ1リーグでは多くない。一人ひとりのポジショニングの良さが効率的なプレーを生み出し攻守に貢献していることがうかがえる。

鹿島アントラーズの2025シーズンは、開幕戦こそ黒星スタートだったものの、その後は効率的かつ組織的な戦術を駆使し、強さを発揮している。攻撃では高い決定力を誇り、守備では組織的に相手のチャンスを封じる。第6節終了時点で、新指揮官・鬼木監督のもとバランスの取れた戦いを展開していた。

高いパス成功率と決定力で上位争いを牽引する柏レイソル

柏レイソルの2025シーズンにおける平均ボール支配率は60.9%を記録。J1リーグ内でもトップクラスの数値であり、選手たちのテクニカルなパスワークとポジショニングの精度が求められている。今シーズンから指揮を執るリカルド・ロドリゲス監督の基本戦術が、ボール保持を重視するスタイルのため、開幕から6試合を終えた時点で3勝2分1敗、勝ち点11。総得点8、総失点6、得失点差+2と好成績を収め4位につけている状況だ。

柏レイソルは、パス数と成功率の高さで他チームを圧倒。攻撃の起点となるMFがボールを的確に保持し、前線へ質の高いパスを供給しているため、ここまでシュート総数は61本で、得点数は8ゴール。決定率13.1%は、リーグ2位であり首位の鹿島に次ぐ数値を残している。ボールを動かしながら相手を走らせる攻撃は非常に効率的だろう。パス成功率82.9%はリーグ1位を誇るものの、1試合平均枠内シュート数は3.8本と、やや物足りない数値だ。この先、中盤戦から後半戦にかけて上位を維持するためには、シュートの質を向上させることが求められる。一方で、守備面にやや不安が見られる。1試合あたりの被シュート数は12.2本でリーグワースト3位。このデータから、相手に決定的なチャンスを許す場面が多いことがうかがえる。タックル数や空中戦勝率もリーグ下位に位置しており、守備の改善が優勝争いに食い込むための重要な課題となるだろう。

柏レイソルの2025シーズンは、攻守両面で高い運動量を発揮しつつ、効率的な戦い方を模索しているといえる。ボール支配率の高さ、シュート決定率、運動量の多さが相まって、6試合を終えた時点で4位と好位置を維持。このスタイルがさらに成熟すれば、今後の試合でもその優位性を発揮し、上位争いをさらに激化させることが期待されるだろう。

少ないシュートで効率よく得点ジェフユナイテッド千葉

ジェフユナイテッド千葉は、2025年シーズンのJ2リーグで首位に立ち、効率的な戦いを続けている。この快進撃は、決して偶然ではない。2024年シーズン、チームはあと一歩のところでJ1昇格プレーオフ進出を逃した。その悔しさを糧に、選手・スタッフ、サポーターたちが一丸となり、オフシーズンに鍛え上げた成果が、今の結果に結びついているのだろう。

まず注目すべきは、シュート総数と決定率だ。シュート総数69本という数字はリーグ下位に位置するものの、シュート決定率24.6%はリーグ断トツの1位だ。さらに、枠内シュート数も1試合平均5.2本でリーグ2位につけており、少ないチャンスを見事な攻撃力で効率的にカバーしている。その結果、開幕から6試合を終えた時点での成績は、6勝0分0敗(勝ち点18)、得点17、失点5、得失点差+12と、首位をキープ。ボール支配率の高い試合もあれば、相手にボールを持たせ、カウンターで仕留める試合もある。この柔軟性こそが、今季のジェフを特別な存在へと押し上げている要因の一つだろう。

現時点で気になるのは、被シュート数の91本でJ2リーグワースト2位というデータだ。守備面では、1試合平均のブロック数やタックル数の向上が見られず、被シュート数の多さにつながっている可能性がある。長いリーグ戦を最高の笑顔で終えるためにも、こうした不安要素を少しずつ解消していきたいものだ。この先、首位として戦うプレッシャーや対戦相手から徹底的に研究されるリスクは避けられない。しかし、2025シーズンこそはタイトルを獲得し、昨シーズンの悔しさを晴らしたい。その努力が最高の形で報われることを期待しよう。

RB大宮アルディージャ、守備と攻撃のバランスで昇格初年度から首位争いへ

RB大宮アルディージャは、開幕6試合を終えて5勝0分1敗、勝ち点15、得点11、失点3、得失点差+8と、J2昇格シーズンながら見事な好成績を収めている。この成功の要因はいくつか考えられる。まず、J3で培った堅守速攻のスタイルをJ2でも貫いている点だ。特に、攻撃面ではここまでリーグ3位となる11ゴールを記録。シュート数90本、枠内シュート30本、決定率12.2%と、いずれのデータもリーグ上位に位置しているのが要因だろう。次に、大宮はクロスボールを効果的に活用し、相手ゴール前でのチャンスを創出している場面が多く見られる。ペナルティーエリア内の深い位置、ポケットへの入り込みを狙い、相手守備陣の視線をずらすことでゴールの確率を高めている。さらに、守備面においても組織力はJ2でもトップクラスといえるだろう。ここまでの総失点はわずか3点と、簡単には崩れない堅守を誇る。この失点の少なさが、現時点での安定した戦いを支える大きな要因となっている。他にも、効果的な補強によってチーム力が底上げされた。J3から昇格したRB大宮にとって戦力の上積みは必要不可欠の状態だった。若手から経験豊富な選手まで、彼らがピッチ上でチームのために妥協なく貢献している姿が見れる。体を張った守備も特徴的で、1試合平均タックル数はリーグ2位の22本を記録。相手の攻撃を自由にさせない、質の高いトランジションからボールを回収して攻撃につなげている。

今後、大宮にはさらなる進化が求められるだろう。特に、中盤や守備ラインでボールを保持しながら試合をコントロールする能力だったり、圧倒的なストライカーの存在だったりがJ2優勝へ重要な要素となる。また、シーズン終盤に向けて、怪我人や疲労による戦力低下への備えも必要だ。昇格組として勢いを維持しつつ、課題を克服できれば、RB大宮が自動昇格圏内でシーズンを終える可能性は十分にあるだろう。この歴史的なシーズンを楽しみながら、RB大宮が新たなステージへと進む瞬間を見届けたい。