
昨季最下位だった西武ライオンズがオープン戦最終戦で復活の兆しか【オープン戦を振り返る】
2025年2月22日よりスタートした、NPB(日本野球機構)による春季非公式試合、通称「オープン戦」。ペナントレース開催前の非公式試合ということもあり、各チームは新戦力の確認に余念がなかった。 3月23日、ベルーナドームで行われた「西武 vs DeNA」は、リーグ最下位に沈んだ埼玉西武ライオンズが、日本シリーズを制覇した横浜DeNAベイスターズを本拠地で迎え撃つ。果たして下剋上なったのか、振り返っていく。※トップ画像出典/Pixabay

西武は新監督・西口を迎え「ライオンズOB中心」体制からの脱却を図る
西武は、2025年オープン戦では西口文也新監督のもとで、ここまで13試合7勝4敗2分と巻き返しの兆しを見せている。外部コーチを積極登用し、これまでの「ライオンズOB中心」体制からの脱却を図っている。北海道日本ハムファイターズとの対戦では0勝2敗と苦戦するも、広島東洋カープ戦では2連勝を記録するなどセ・リーグ球団に対する対応力は上向きだ。投手陣では高橋光成、今井達也ら先発ローテーションに安定性が見られ、中継ぎ陣も甲斐野央を中心にリリーフ力の厚みを維持。打撃面では若手選手の台頭が表れはじめ、シーズン本番に向けた戦力の底上げが期待される。2024年は首位の福岡ソフトバンクホークスから42ゲーム差をつけられ、不本意なシーズンとなった。雪辱を果たすための組織再編が、新たな戦略的アプローチと若手起用によってどの程度実を結ぶかが注目される。
DeNAは「守備の強化」「判断力の向上」を軸にしたチーム改革を目指す
対照的に課題が浮き彫りになったのがDeNAだ。投手陣ではバウアーの復帰が期待される一方で、若手投手の成長が今後の戦力を左右する鍵となる。打撃面では牧秀吾、佐野恵太、T.オースティンの主力トリオが健在。とくに牧は、2024年シーズンに主将として打線の核を形成し、日本一に導いた実績から、新たなシーズンでも中軸打者としての安定感が期待されている。得点圏での打撃精度とリーダーシップがチームの勝敗を左右しそうだ。守備では内野の安定性が課題として指摘された。とくに遊撃手ポジションが今後の勝敗をわける要素となりそうだ。この日も林琢真と森敬斗を起用していた。
三浦大輔監督は2025年シーズンに向け、戦略面で「守備の強化」と「判断力の向上」を軸にしたチーム改革を強調している。2024年のポストシーズンで証明された守備力の重要性をレギュラーシーズンでも活かすため、春季キャンプから内野守備の徹底的な底上げに注力していた。日本一連覇を目指すチームにとって、これまでのオープン戦で浮上した課題をシーズン開幕までに修正できるかが最大の焦点だ。
高橋光成が5回4K1失点の好投、DeNA牧がソロ本塁打で追いすがる
西武は昨年未勝利だった高橋が先発登板。初回、先頭打者・桑原将志に死球を与えるも三振と併殺で無失点の好スタート。コントロールに冴えを見せ、外角の変化球を自在に操る投球が光った。
DeNAの先発はバウアー。2回裏、5番DHレアンドロ・セデーニョの中前打でチャンスを作り、8番・元山飛優が左翼へ先制タイムリーを放つ。 3回裏にも、3番タイラー・ネビンが左翼線へ2点適時二塁打を放つ。5番セデーニョも右翼へ追加点を叩き出し3-0とした。新助っ人に打ち込まれたバウアーは5回4失点で降板し、開幕に不安を残した。 5回表、高橋投手は一死3塁のピンチでDeNA梶原昂希に適時打を許すも、59球4奪三振の好投を見せ、5回1失点で交代。途中、右前打へのヒット性の当たりを、ライトの長谷川信哉が好返球で一塁アウトにするなど、めずらしいプレーも飛び出し高橋を盛り立てた。直後の5回裏、1番・長谷川が中前タイムリーで応酬し、4-1とした。6回表には、DeNA主力の3番・牧がソロ本塁打を放ち、4-2と追いすがるが、西武はトレイ・ウィンゲンターが中継ぎで火を消すなか、9回には平良海馬がセーブ登板。ダブルプレーで危機を脱して山本祐大を三振で締めくくり、4-2で勝利した。
オープン戦全日程を8勝4敗2分で終えた西武は、新助っ人ネビン&セデーニョの活躍で勢いをつかんだ。対するDeNAは、オープン戦8勝8敗2分で勝率.500と、不安を残す成績で開幕を迎えることとなった。
DAZN「NPBハイライト オープン戦 : 西武 vs DeNA」 (2025年3月23日配信)より
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