SPIKE WARS - Chapitre 10 Matériau Kangourou / Ambro "Accelerator KL" (Partie 1) -
Comparaison de grenaillages entre deux fabricants
Or Daren
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2016/07/22
〔CHAPTER10・カンガルー素材/『アクセレイターKL』(前編)〕
【Acteur】
Auditeur (Département éditorial)
Maître Nagai (Hideki Nagai = Tokyo Verdi 1969 =)
◆今回永井秀樹が講評するのはアンブロの「アクセレイターKL」!!
──お次は、間違いなくマスター・ナガイが履いたことのないメーカーです。アンブロのアクセレイターKL。重量は169・5グラムでございます。
Maître Nagai「‥‥アンブロねえ。ユニフォームはよく見るけどね。Jリーガーだと誰が履いてるんだっけ?」
──真っ先にあげられるのは、やはり遠藤保仁選手でしょうか。我がキングギアでは、そういったマイナーなスパイクを履いている選手にスポットをあてる『マイノリティ・レポート』という企画もやっておりまして、先日、スタッフが遠藤選手にお話を伺ってきたところでございます。
Maître Nagai「スパイク・ウォーズといい、マイノリティ・レポートといい、ネーミングのセンスが明らかに昭和の人がつけたって感じだよね。ま、俺も昭和だからよくわかるんだけど(笑)」
──基本、企画のタイトルは昭和41年生まれの発起人Kが独断でつけておりますもので。ちなみに、いまや人気絶頂のラグビー選手、五郎丸歩選手にインタビューしてサイン入りのスパイクをゲットしてくるという企画は、ミッション・インポシブルと名付けられておりました。成功しなければライターのギャラはゼロという鬼のような企画で(笑)。
Maître Nagai「で、成功したの?」
──はい見事。で、〇十万円ゲット(笑)。
Maître Nagai「ハイリスク、ハイリターンなわけね。それはよかった(笑)。で、このアンブロなんだけど‥‥定価、いくら?」
──メーカー希望小売り価格は1万4580円ということになっているようでございます。ま、今回マスター・ナガイに履いていただくスパイクの中では、かなりお値打ちな部類に入るスパイクかと。
Maître Nagai「んー、じゃあしょうがないところはあるかな」
Que dites-vous?
Maître Nagai「正直、クオリティはワンランク落ちるよね。まずフィット感。はっきり言わせてもらうと、固いし痛い。2点しかあげられないレベル」
◆永井視点では厳しい評価に。
──うわ、いきなり厳しい。
Maître Nagai「カカトのホールドにしても、なんていうのかなあ、キュッとしてないんだよね。せいぜい3・5点。このままだと、とても試合に使う気にはなれないんだけど‥‥ヤット(遠藤)って、ホントにこのスパイク使ってるの?」
──えー先日スタッフが聞いてきたところによりますと、カスタマイズされているようです。遠藤選手が使っているのは、もっと重いそうで。
Maître Nagai「あ、ヤットも軽いスパイクだめなんだ、さすがベテラン(笑)。まあ、カスタマイズされてるっていうんなら、まだわかるよ。というか、そういうところはヤット、賢いよね」
──どういうことでございましょう。
Maître Nagai「ぶっちゃけた話、アンブロってスパイク・メーカーとしては小さい方でしょ。そういうところと契約すれば、徹底的に自分に合ったカスタマイズ・スパイクを作ってくれるから。契約期間が長くなれば、自分の特徴もわかってくれるだろうしね」
──大手メーカーだとそうはいかない?
Maître Nagai「スーパースターにならない限りね。クリスティアーノ・ロナウドのためであれば、ナイキだってオンリーワンのスパイク作るだろうけどさ。そうでない普通の一流選手だと、なかなかカスタマイズはやってもらえない。Jリーガーだと、いまはまず無理。その点、小さいメーカーだと一生懸命やってくれるし、要望も聞いてもらえる。かくいう俺も、今年はアスレタさんと契約しようって思ってたぐらいだから」
──そこを発起人Kがごり押ししてキングギアに拉致してしまったたわけですね(笑)。というか、さきほどマスターは「いまはまず無理」とおっしゃいましたが、昔はJリーガーでもカスタマイズしたスパイクを作ってもらえてたということでございますか?
Maître Nagai「うん。俺自身、プーマのスフィーダってスパイク、カスタマイズしてもらってたし。日本代表選手、ヴェルディの主力、あと、各チームのスター選手は、たいがいメーカーと契約してたし、カスタマイズもやってもらってたんじゃないかな。もちろん、いまみたいに物品提供だけって選手もたくさんいたけどさ」
Maître Nagai「値段を考えれば、仕方がないことなんだけどね」
──ああ、確かに。読売クラブ時代はみんなプーマのヴェルトマイスターだったのに、Jリーグが始まる直前あたりから一気に使用スパイクが多様化しましたもんね、ヴェルディの選手。北沢選手とか、ディアドラだったし。
Maître Nagai「ディアドラ! 懐かしいねえ。てか、ディアドラはバッジョ、ロットはフリット、
なイメージがあったけど、どっちのメーカーも、すっかり見なくなっちゃったよね。ロットのロゴが緑のスパイクか、一時期、オランダやイタリアの選手がみんな履いてた印象があるけど」
なイメージがあったけど、どっちのメーカーも、すっかり見なくなっちゃったよね。ロットのロゴが緑のスパイクか、一時期、オランダやイタリアの選手がみんな履いてた印象があるけど」
──そうでございますねえ‥‥といいますかマスター・ナガイ、気のせいかこのアクセレイターについてのコメントがなかなか出てこないような。
Maître Nagai「だって、言えばキツくなっちゃうし(笑)。グリップ力、2・5点。走りやすさ、2・5点。デザイン、2点。及第点がつけられるのは、キックフィールの3点と、耐久性の4点ぐらいだもん。値段を考えれば、仕方がないことなんだけどね」
──β版の時は、結構ボロカスにおっしゃっていたと思うのですが(笑)。
Maître Nagai「あれはほら、試運転だから、当然事故もある(笑)。たださ、ちょっと不思議というか面白いと思うのは、このアクセレイターのアッパー、触った感じの固さってモレリアとほぼ一緒なのよ」
──固さどころか、カンガルー素材というところまで一緒でございます。
Maître Nagai「でしょ。なのに、履いてみると、感触も印象もまるで違うのよ。モレリアの包まれ感、しなやかさとは比較にならないし、モレリアに比べて人工皮革をたくさん使ってるモナルシーダと比べてもまだ固い。これ、なんでなんだろ」
──今度メーカーさんに聞いておきます。
(Au prochain numéro / couverture de la coopération · Tokyo Verdi 1969)