L'épisode solo du Fondateur K · Volume 8 VOL 8 "Grosse attaque de la graisse corporelle 29.9% / Je suis avare! Partie 1 · Ça me coule "
キングギア発起人・金子達仁(50歳)が肉体改造にチャレンジ! はたして『子供と一緒にプールに行っても恥ずかしくない身体』になれるのか!?
Or Daren
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2016/09/26
顔で笑って心で泣いて──。
言われるたびに、そんな気分だった。
「いいですよねえ、カネコさんはスリムで」
自分で言うのもなんだが、カネコタツヒト50歳、確かにパッと見ただけでは肥満には見えにくい。生まれつき骨が細く、手足がヒョロッとしているのも関係しているのだろう。仕事先や幼稚園の送り迎えなどで、そう言われる機会は、ぶっちゃけ、割とよくある。
だが、言われるたびに気持ちは沈んだ。なぜって、自分が痩せてなんかいないことは、他ならぬ自分自身が一番よくわかっているから。
上半身、たぽたぽ。一方で、若かりしころは意味もなくタンクトップになって露出させていた二の腕などは、冬は白アスパラ、夏はゴボウかと突っ込みたくなるほどやせ細ってしまっている。
それでいながら体重があまり変わっていないのは、はっきり言えば筋肉が減少し、脂肪に変わっているからだけのこと。風呂で姿見が目に入るたび、思わず視線を背けてしまう習慣がついてしまっていた。
「いやあ、脱いだらヒドいんですよ」
ほとんどの人が「そんなご謙遜を」といった態で受け止めてくださるわたしの切り返しは、だから、掛け値なしの本音だった。
ただ、かといってスポーツクラブに通って汗を流す気にはなれなかった。まず、無様になってしまった身体を人様の前でさらしたくないという思いが一つ。
時間とカネがもったいねえよ、というのも一つ。でもって一番大きかったのは、「いまさらトレーニングして、イケてる身体を作ってどうすんのよ」的な思いだった。
なぜ若かりし日の自分が、クソ忙しい編集部勤務の日常を縫ってスポーツクラブに通い、毎日ダンベルと格闘し、お世辞にも旨いとは言えなかったプロテインをガバガバ摂取していたかと言えば、モテたかったからだった。カッコつけたかったからだった。
だが、4年前に子供が生まれて以来‥‥というかそれまでもじわじわと減退してはいたのだが‥‥そうした欲求というか虚栄心のようなものは、きれいさっぱり消滅してしまった。自分のこと、もはやどうでもよし。
いや、それはちょっと違うか。ホントにどうでもいいのであれば、風呂場でため息つくこともなかったわけだし。子供をエクスキューズに使って自堕落な毎日を黙認し続けてきた、というのが本当のところ。
ところが、その子供が原因となって「このままじゃいかん」ということになるのだから、人生はわからない。
今年、息子は幼稚園に入った。水泳教室なるものが始まった。プールが大好きになった。で、こうなった。
「ぱぱ~、プール連れてって~!」
いかん。なぜ弛んでいく一方の我が身を看過できていたかと言えば、それを人前にさらす機会がほぼなくなったからだった。だが、プールとなればそうもいかない。この醜いブヨブヨの肉体を公衆の面前でフルオープンしなければならない。
やばすぎる!
慌てたわたしは、ダイエットを目的としたスポーツクラブを探し始めた。ライザップ、調べた。マジで入ろうかと思ったのだが、いかんせんウチからの距離がちょっと遠い。
キングギア編集部の向かいのビルにはパーソナル・スポーツジムがあり、ここも2カ月ですんごい身体になれます的な広告を路上に張り出している。
ライザップが糖質制限に重きをおくのに対し、こちらは塩分を控えることでダイエットしていくらしい。料金はどちらもほぼ同じ。
さて、どうするか。 大いに迷っていたわたしの前に、運命的な出会いが訪れた。
(以下次号へ)
「いいですよねえ、カネコさんはスリムで」
自分で言うのもなんだが、カネコタツヒト50歳、確かにパッと見ただけでは肥満には見えにくい。生まれつき骨が細く、手足がヒョロッとしているのも関係しているのだろう。仕事先や幼稚園の送り迎えなどで、そう言われる機会は、ぶっちゃけ、割とよくある。
だが、言われるたびに気持ちは沈んだ。なぜって、自分が痩せてなんかいないことは、他ならぬ自分自身が一番よくわかっているから。
上半身、たぽたぽ。一方で、若かりしころは意味もなくタンクトップになって露出させていた二の腕などは、冬は白アスパラ、夏はゴボウかと突っ込みたくなるほどやせ細ってしまっている。
それでいながら体重があまり変わっていないのは、はっきり言えば筋肉が減少し、脂肪に変わっているからだけのこと。風呂で姿見が目に入るたび、思わず視線を背けてしまう習慣がついてしまっていた。
「いやあ、脱いだらヒドいんですよ」
ほとんどの人が「そんなご謙遜を」といった態で受け止めてくださるわたしの切り返しは、だから、掛け値なしの本音だった。
ただ、かといってスポーツクラブに通って汗を流す気にはなれなかった。まず、無様になってしまった身体を人様の前でさらしたくないという思いが一つ。
時間とカネがもったいねえよ、というのも一つ。でもって一番大きかったのは、「いまさらトレーニングして、イケてる身体を作ってどうすんのよ」的な思いだった。
なぜ若かりし日の自分が、クソ忙しい編集部勤務の日常を縫ってスポーツクラブに通い、毎日ダンベルと格闘し、お世辞にも旨いとは言えなかったプロテインをガバガバ摂取していたかと言えば、モテたかったからだった。カッコつけたかったからだった。
だが、4年前に子供が生まれて以来‥‥というかそれまでもじわじわと減退してはいたのだが‥‥そうした欲求というか虚栄心のようなものは、きれいさっぱり消滅してしまった。自分のこと、もはやどうでもよし。
いや、それはちょっと違うか。ホントにどうでもいいのであれば、風呂場でため息つくこともなかったわけだし。子供をエクスキューズに使って自堕落な毎日を黙認し続けてきた、というのが本当のところ。
ところが、その子供が原因となって「このままじゃいかん」ということになるのだから、人生はわからない。
今年、息子は幼稚園に入った。水泳教室なるものが始まった。プールが大好きになった。で、こうなった。
「ぱぱ~、プール連れてって~!」
いかん。なぜ弛んでいく一方の我が身を看過できていたかと言えば、それを人前にさらす機会がほぼなくなったからだった。だが、プールとなればそうもいかない。この醜いブヨブヨの肉体を公衆の面前でフルオープンしなければならない。
やばすぎる!
慌てたわたしは、ダイエットを目的としたスポーツクラブを探し始めた。ライザップ、調べた。マジで入ろうかと思ったのだが、いかんせんウチからの距離がちょっと遠い。
キングギア編集部の向かいのビルにはパーソナル・スポーツジムがあり、ここも2カ月ですんごい身体になれます的な広告を路上に張り出している。
ライザップが糖質制限に重きをおくのに対し、こちらは塩分を控えることでダイエットしていくらしい。料金はどちらもほぼ同じ。
さて、どうするか。 大いに迷っていたわたしの前に、運命的な出会いが訪れた。
(以下次号へ)