【解説】必殺の巴投げで五輪を制す 角田夏実(柔道女子48kg級/金)
現地時間7月27日に行われた柔道女子48kg級決勝で、角田夏実選手がモンゴル代表バーサンフー・バブードルジ選手に勝利し、金メダルを獲得。パリ五輪で日本人初の金メダリストとなった。※トップ画像出典/Getty Images
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31歳にして初めてのオリンピックとなった角田選手は、初戦でブラジル代表のナターシャ・フェレイラ選手、2戦目で南アフリカのジェロネイ・ホワイトボーイ選手を一本勝ちで下し、準々決勝へ。
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準々決勝で対峙したのは、地元フランス期待のシリヌ・ブクリ選手。相手選手の応援の声が優勢となる中で、角田選手は開始1分、得意技の鮮やかな巴投げを繰り出し1本勝ち。これには地元の観衆から大きな拍手が送られた。
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準決勝では、スウェーデンの18歳タラ・バブルファス選手と対戦。互角の戦いとなり延長戦までもつれたが、相手の反則負けで決勝に駒を進めた。
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決勝で角田選手は開始2分52秒でまたもや巴投げで技ありを奪い、そのまま優勢勝ち。5試合通して相手に1ポイントも奪われない完全優勝を遂げた。なお、同階級で日本勢が金メダルを獲得するのは、2004年アテネ大会の谷亮子選手以来のこととなった。
<パリ五輪戦績>
3回戦:ジェロネイ・ホワイトボーイ/○11-0 巴投(技あり)、腕挫十字固(一本)
準々決勝:シリヌ・ブクリ/○10-0 巴投(一本)
準決勝 : タラ・バブルファス/○10-0 反則勝ち
決勝 : バーサンフー・バブードルジ/○1-0 巴投(技あり)
<Profil>
1992年生まれ、千葉県八千代市の角田夏実選手は、小学2年で柔道を始めた。もともとは52kg級を主戦場にしていたが、東京2020を目指していた2019年、48kg級に階級を変更。しかし東京2020は補欠選考となり、舞台に立つことはできなかった。
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2021年以降はパリ五輪出場に目標を定め、2021年から2023年まで世界選手権3連覇を達成。大きな実績を残したことが評価され、本番の1年以上前である2023年6月、阿部一二三選手、詩選手と共にパリ五輪日本代表に内定した。31歳で掴んだ悲願の舞台で、代名詞とも言える巴投げが炸裂。個人での金メダルのみならず、団体でも2階級上の選手を巴投げで下し、団体での金メダル獲得にも貢献した。なお角田選手は、大会中の8月6日に誕生日を迎えている。