25 %e5%98%89%e5%bc%a5%e7%9c%9f%e6%96%b0%e4%b9%9f

【選手ヒストリー】意地と誇りでつかんだ勝利!プロの舞台で開花した左腕ー嘉弥真新也(東京ヤクルトスワローズ)活躍の軌跡/2024年プロ野球引退選手

沖縄県石垣市生まれの嘉弥真新也は八重山農林高校を卒業後、ビッグ開発ベースボールクラブとJX-ENEOSを経て、福岡ソフトバンクホークスに2011年のドラフト5位で入団し、中継ぎとしてチームを支えた。2024年にはヤクルトスワローズに移籍し、13年間にわたって活躍した。※イラスト/これ松えむ

Icône icône kinggearKING GEAR Département Editorial | 2024/12/17

野球と不動産業の二足のわらじ。スポーツマンからプロ選手へ

沖縄県石垣市で生まれた嘉弥真新也は、小学校4年生の時に軟式野球チームに加入し野球を始める。中学を経て、八重山農林高校に進んだ嘉弥真は、外野手兼投手としてプレー。2番手投手として臨んだ高校3年生の夏は、県予選の1回戦で敗退。嘉弥真は4安打を放ったものの、リリーフとしてリードを守れずに敗戦投手になっている。高校卒業後、2008年には沖縄を拠点とする不動産会社で、野球部設立が決まっていたビッグ開発への入社を決断。野球と不動産業両立の日々を過ごす中で、実力に磨きをかけていった。

嘉弥真に転期が訪れたのは、2010年3月に亜細亜大学で行われたキャンプへの参加だった。亜細亜大の生田勉監督の琴線に触れたことで、社会人屈指の強豪チームでもあるJX-ENEOSへの練習参加が決定。合宿で高い評価を受けたことや、同年5月の都市対抗野球一次予選の敗者復活決定戦で沖縄電力を相手に完投勝利を収めたこと。さらには10月の西日本クラブカップでチームに優勝をもたらし、嘉弥真がMVPを獲得したことなどから、同年12月にJX-ENEOSへの移籍が実現する。2011年10月には、JX-ENEOSの一員として都市対抗野球に出場。チームは1回戦敗退に終わったが、9月に行われた神奈川県企業大会で東芝を相手に完封したことなどが高く評価され、同年の10月に福岡ソフトバンクホークスのドラフト5位指名を受けて入団することとなった。

ワンポイントで覚醒!リーグ優勝に貢献

ルーキーイヤーの2012年は開幕を2軍で迎えたものの、5月4日の楽天戦で一軍初登板を果たすと4試合に登板。打ち込まれる場面も見られ、防御率は12.46台も見られたが、2軍ではフレッシュオールスターに出場するなど、可能性を感じさせた。2013年はウエスタン・リーグで好調な成績を残し、5月のファーム月間MVPを受賞するなどの活躍を見せ、14試合の登板で6勝1敗・防御率0.71と安定した投球を披露した。1軍昇格後は、厳しい場面でマウンドに上がる姿が多く見られたが、7月15日の千葉ロッテ戦では、4回裏二死満塁のピンチを無失点に抑えると、その後味方が逆転しプロ初勝利をマークした。延長11回に登板した8月2日の西武戦では、プロ初ホールドも記録。2013年は主に中継ぎとして40試合に登板し、3勝1敗4H・防御率2.32の成績を残し、チームの中継ぎ陣を支えた。先発転向の打診を断り、中継ぎ1本で挑んだ2014年は32試合に登板し、0勝2敗1H、防御率3.19の活躍を見せたが、その後2年間は不振に陥り、苦しい時期を過ごすこととなった。

Thumb 25 e59889e5bca5e79c9fe696b0e4b99f

リーグ優勝を成し遂げた2017年には、ワンポイントに活路を見出し、58試合に登板して2勝0敗14H、防御率2.76を記録。リーグ優勝と日本一にも貢献。続く2018年も34試合連続無失点(6月24日〜9月24日)の活躍でチームを支えるも、秋山翔吾に逆転3ラン本塁打を打たれ、記録が途絶えることに。シーズン終盤はやや息切れが見られたものの、67試合に登板し、2勝1敗25H、防御率2.45の活躍。広島カープとの日本シリーズにも5試合に登板し、無失点に抑える好投を見せた。2019年も対左打者のスペシャリストとして存在感を示した嘉弥真は、54試合に登板し、2勝2敗19H1S、防御率2.61の活躍でチームの3年連続日本一に貢献。WBSCプレミア12の日本代表にも選出され、チームの優勝に貢献した。

ヤクルト移籍も短命に。現役生活に幕を下ろす

2020年はコロナ禍の影響により試合数が減少したが、その中でも嘉弥真は50試合の登板で3勝1敗18H、防御率2.10の活躍で、4年連続50試合登板の金字塔を打ち立てることに。左腕投手としては球団史上初の快挙を提げて挑んだ日本シリーズでも活躍を見せ、チームの3年ぶりのリーグ優勝と4年連続の日本一を支えた。58試合に登板したものの、1勝0敗19H、防御率4.71のやや低調な成績に終わった2021年オフには、国内FA権を行使せずにチームへの残留を決断。翌年はチーム最多の56試合に登板し、0勝0敗28H、防御率0.99の安定したパフォーマンスを取り戻したが、2023年はまたしても低調に終わり、前年の半数にも満たない23試合の登板、1勝0敗7H、防御率5.25の成績で、オフに自由契約を言い渡された。2023年11月に東京ヤクルトスワローズへの入団を決めたが、1軍ではわずか9試合の登板に終わり、2年連続の自由契約を言い渡されることに。それを受けて2024年11月に引退を発表。13年間の現役生活に幕を下ろすこととなった。

Profil

名前:嘉弥真新也(かやましんや)
出身:沖縄県
生年月日:1989年11月23日
身長/体重:172cm/72kg
投打:左投げ左打ち
ポジション:lanceur
ドラフト年:2011年ドラフト5位

通算成績

実働13年:472試合 14勝7敗 防御率3.24

※記事内の情報は配信時点の情報です(2024年12月現在)