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「 Then I lost my position. Hahaha!」サッカー日本代表DF菅原由勢の“語学力上達のコツ”とは

現在、サウサンプトンでプレーしサッカー日本代表DF菅原由勢選手。彼はインタビューの中で、18歳のころJリーグでプレーしていた経験を振り返り、当時の苦しい思い出を笑い飛ばした。※トップ画像出典/Getty images

Icon 240910 02 01 1 佐々木真理絵 | 2025/04/03

菅原由勢選手の英語インタビューから学ぶ、語学の積み上げ

菅原由勢選手の英語インタビューを見て、改めて語学の積み上げの大切さを実感した。彼のインタビューでは、サッカーに関連する英語の単語が自然に出てくる。
「transfer window(移籍期間)」ou alors「relegate(降格)」といった言葉をスムーズに使いこなしながら、彼は自身の経験を語った。

これは、机上の勉強だけでは身につかない。サッカーの現場で揉まれながら、実践の中で覚えてきたことがひしひしと伝わってくる。18歳のころ、Jリーグでプレーしていた経験を振り返ったインタビューでは、当時の苦しい思い出を笑い飛ばしながら話していた。

“We were, I think, bottom of the league. The fans and the media said ‘they will relegate again’ or something... but the transfer window in summer, we bought many, many players. Then I lost my position. Hahaha.”

私たちのチームはリーグの最下位にいました。ファンやメディアは「また降格するだろう」と言っていました。でも夏の移籍期間にたくさんの選手を補強したんです。それで私はポジションを失いました。ははは!

このエピソードを、菅原選手はユーモアを交えて話していた。実際には、降格のプレッシャーの中で戦い、ポジション争いに直面し、決して楽な時間ではなかったはずだ。

それでも、英語でこうやって軽やかに話せるのは、彼が積み上げてきた経験と努力の証だろう。

ちなみに「移籍」は、transferだけではなく, 「move to」「 join」など様々な英語表現がある。文脈で読み取らなければならない。そしてもう一つ注意なのが、“期限付き移籍、レンタル移籍”は「loan deal」と言う。

“レンタル”が横文字なので混合しがちなのだが、「rental」とは訳さないので注意が必要だ。通訳者として移籍や契約条件の話に入る場合は、こういった表現をしっかり知っておかないととんでもない間違いに繋がりかねない。

語学は短期間では身につかない

菅原選手が本格的に英語を学び始めたのは、おそらく2019年、オランダでプレーを始めた頃からだろう。
そこから約6年間、海外で生活しながら言語を習得してきたのだろう。彼が過去に英語のコーチングプログラムを受けていたことも公にされている。集中的に英語を学んだ時期があったということだ。

語学力以外でとても魅力を感じたのが、彼の表情だ。冗談を交えながら笑顔を見せ、過去の苦しい経験すらも笑い飛ばす姿は、聞いている側にポジティブな印象を与える。

言葉が完璧かどうか以上に、「しっかりと自分の思いを伝えること」がどれほど大切かを感じさせる瞬間だった。

語学の習得には時間がかかる。菅原選手にだって、最初は自分の思いをうまく話せず、相手の言うことを聞き取れず、もどかしい時期があったはずだ。それでも、諦めずに積み上げてきたのだろう。

日々の積み重ねが、未来を変える

サッカーだけでなく、あらゆるスポーツにおいて、いきなり試合に出て活躍できる選手はいない。日々の練習、試合での実践、失敗を繰り返しながら成長していくもの。それは語学、英語だって同じだ。通訳だって、海外拠点に活躍する選手だって、日々実践しながら学んでいくのだ。

菅原選手も、少なくとも6年間は、日々の練習や取材対応を通じて英語をアウトプットし続けてきた。
だからこそ、ようやく今、英語で堂々とインタビューに答えられるようになったのだろう。語学の習得に「ショートカット」はない。そして、スポーツの上達と同じように、語学の成長にも「ゴール」はない。

ピッチで毎日走り続けるように、言葉もまた毎日積み上げるものだ。


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