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勝つチームには理由があった!2025年プロ野球、名将が読み解く新戦力と新体制

3月28日、2025年プロ野球がついに開幕。注目の新監督たちはどのようにチームを動かし、移籍組やルーキーたちはどのような存在感を見せているのか。そして、過去の優勝チームに共通する“勝利の方程式”は今季も通用するのか。シーズン序盤の今だからこそ振り返りたい、各球団のスタートダッシュとチーム作りを、西武とオリックスでリーグ連覇を成し遂げた辻発彦氏、中嶋聡氏二人の名将がプロの視点で解説していく。※トップ画像出典/photoAC

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“変革”の春、新監督の姿勢から見るチームのこれから

今シーズンは中日ドラゴンズの井上一樹監督、阪神タイガースの藤川球児監督、楽天ゴールデンイーグルスの三木肇監督、オリックス・バファローズの岸田護監督、西武ライオンズの西口文也監督の5チームが新監督を迎えた。キャンプとオープン戦を終えた新監督たちがどんな野球を目指すのか。

まず阪神の藤川について辻は、キャンプ前から森下翔太を4番に据えると決めていたことに触れ、そこには期待の大きさが表れており、本人にも前向きな気持ちで臨んでほしいという思いが込められていると解説。一方で中嶋は、阪神は戦力が整っており、それをどう繋げて進化させていくかが重要になると指摘。藤川がコーチ経験なしで監督に就任した点については、周囲のサポートがあること、そして本人の意思も明確であることから、チーム自体がある程度形になっている今、経験不足をそれほど心配する必要はないとの見方を示した。中日の井上については、辻が新監督の取り組みを評価。大胆に変えていこうとする姿勢は、まさにチームの環境を変えることへの強い意志の表れで、今はその思い切りが何より重要だとした。中嶋は、中日の先発陣は整っているが、少ない得点で勝ち切る試合が求められる状況であり、打撃面の課題にどう向き合うかが問われると指摘した。

続いてライオンズの西口に関しては、辻と中嶋の両者が共にその指導スタイルに言及。話し方は穏やかでも、調子が上がらない選手を迷わず外す厳しさを持ち、野球や選手に対して真摯に向き合っているとコメント。和歌山弁で柔らかく話す印象の一方で、抑えとして平海馬を起用したように、選手が背筋を伸ばすような決断力も持ち合わせているとした。中嶋から監督のバトンを受けたオリックスの岸田について、中嶋は自身の後任として真面目な人柄でチームからの信頼も厚く、球団初の生え抜き監督としてチームを一丸にまとめてくれる存在だと期待を寄せた。凡事徹底を掲げる野村イズムの継承者、楽天の三木に対して中嶋は、野球に対する情熱と新しいものを取り入れる柔軟さ、そして基本を重んじる姿勢を評価。2度目の監督就任となる今、自身のやりたい野球を追求し、その答え合わせをしてほしいと語った。辻もキャンプの様子を踏まえ、いいプレーはしっかりと称え、悪いプレーにはチーム全体が崩れる危険性を指摘していたとし、1つひとつのプレーの重要性を徹底して伝えようとしていた姿勢を称賛した。

田中将大の復活はあるか?注目の新戦力選手たちを分析

今年の移籍一番の目玉、読売ジャイアンツに移籍した田中将大だ。復活を果たせるかという問いに対し、中嶋は「復活してほしいし、できると思っている」と前向きな見解を示したが、辻は慎重な姿勢を見せ、球威の低下を指摘。今後はコントロールが鍵になるとし、日本の打者は選球眼が優れているため、一筋縄ではいかないと二人の評価は分かれた。中嶋が注目選手として挙げたのは、FAでジャイアンツに移籍した甲斐拓也。キャッチャーとして、いい意味で図太いリードをしてきた選手であり、新天地でもその持ち味を出してほしいとエールを送った。

辻は今年のルーキー3人、楽天の宗山塁、日本ハムファイターズの西川史礁、中日の金丸夢斗を挙げた。なかでも宗山については、まだまだ成長の余地があり、プロのスピードに早く慣れて実力を発揮してほしいと語った。中日で抑えの守護神として活躍したR・マルティネスの巨人移籍については、巨人にはすでに抑えの翁田大勢がいるが、昨シーズンはさまざまな起用法が見られたため、今季はマルティネスが抑え、大勢が中継ぎに回る形も十分にあり得ると話し、両氏ともに各チームの新戦力が今シーズン活躍してくれるだろうと予測した。

リーグ優勝に共通する4つの数字とは

全球団が目指すリーグ優勝、過去3年の両リーグの優勝チームを分析すると、多くのチームが達成していた4つの共通点が浮かび上がってきた。それは「チーム防御率2点台」「4番打者140試合以上固定」「月間勝率7割以上の月がある」「開幕3連戦勝ち越し」というデータだ。

投手力を示す防御率について、両氏は先発投手の枚数と柱となるエースの存在がいい数字につながると指摘。さらに、即戦力の投手は簡単に現れるものではなく、あせらず基盤を築いて育成していく姿勢が重要になるとも語った。そのうえで、勝利に直結するのは失点を防ぐ守備力であり、投手力と守備力はセットで考えるべきと強調した。続いて4番打者を固定する打力については、辻が身体の強さとチームからの信頼を兼ね備えた打者を据えることで打線全体の形が見えてくると説明。4番が固定できることで、戦い方に一貫性が生まれるという。一方、中嶋は自身の経験から、4番を固定せずに運用していた理由を明かす。体力面はもちろん重要だが、4番に据えたことで打てなくなる選手もおり、5番に回すなど、単純に打てる選手を4番にすればいいわけではない難しさを吐露した。

月間勝率7割を記録するには、夏場の戦い方が大きなカギとなる。辻は、開幕から1ヶ月ほど経った時期に疲労が表面化してくるため、チームの状態をいかに保てるかがポイントになると分析。特にその時点で先発投手がしっかり揃っていること、そして3連戦の初戦を取ることが勝率を押し上げる要因になると話した。また、開幕の3連戦を勝ち越せるかどうかもその後の流れを左右する要素であり、エース級が投げ合う初戦で勝てば、チーム全体の士気も高まると開幕戦の重要さを話した。中嶋も、開幕戦の重要性について同意見。過去、オリックス時代の山本由伸ですら開幕投手を何度も経験しながらも初戦の勝利は1度しかなかったと振り返り、その難しさをあらためて指摘した。

DAZN『BASEBALL TIME 2025 - 名将たちの展望 -』より
配信日:2025年3月27日(木)

*Les informations contenues dans cet article sont à jour au moment de la publication.