SPIKE WARS - Episode 5 Silence de Nagai -
Comparaison entre les fabricants Planification de "Spike Wars"
Or Daren
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2016/05/31
Episode 5 ~永井の沈黙~
【Acteur】
Auditeur (Département éditorial)
Maître Nagai (Hideki Nagai = Tokyo Verdi 1969 =)
◆今回永井秀樹が試着するのはナイキ「ティエンポ・レジェンド6・HG-E」
──続いてはナイキに参りましょうか。ティエンポ・レジェンド6・HG-Eでございます。
Maître Nagai「これ、代表だと誰が履いてるの?」
──結構いますね。昨年のカンボジア戦ですと、西川選手、森重選手、遠藤選手ですか。
Maître Nagai「あれ? あの試合、森重って出てたっけ?」
──いえ、出ておりません。
Maître Nagai「どうやって調べたの?」
──現地でカメラマンの方にお願いして、試合前やハーフタイムの練習などを撮影していただきまして。
Maître Nagai「依頼されたカメラマンが驚いてなかった?」
──ま、何せ前代未聞の依頼でございますから。ただ、やっていくうちに意外な発見もございまして。
Maître Nagai「どうしたの」
──クラブ・ワールドカップが開催された際、出場した全選手の使用スパイクを特定すべく、カメラマンの方に撮影をお願いしたのですが、そうしたら、メッシが足にタトゥーを入れていることが判明いたしまして。
Maître Nagai「あ、練習の時に?」
──はい。マスター・ナガイがお若いころと違い、いまは試合中にストッキングを下げることは許されておりません。ただ、練習中は話が別、ということでございまして。
Maître Nagai「へえ~。じゃ、スパイクのインプレッション行こうか」
──お願いいたします。
Maître Nagai「まず思ったのは、意外に重たいんだなっていうこと。これは別に不満を感じてるんじゃなくて、俺の中のイメージで、ナイキっていうととにかく軽いって印象があったから」
◆Maître Nagai
「あくまでも、このモデルについて。」
──247・5グラム。実は、今回試し履きをお願いした6モデルの中では最も重たいモデルでございました。履いてみた印象はいかがですか?
(もそもそもそと試着)
Maître Nagai「う~ん‥‥」
──いかがなさいましたか?
Maître Nagai「こりゃダメだ」
──え?
Maître Nagai「俺には合わない。まったく合わない」
──どこがご不満なのでございましょう。
Maître Nagai「甲の部分だね。これ、形状記憶っていうか、形崩れしないことが狙いなのかな。俺みたいにスパイクにフィット感を求めるタイプからすると、まったくしっくりこない。甲の部分の形が決まっちゃってて、スパイクの中で指先が泳いじゃう感じ。まあ、最初からこの形がジャストフィットする人はいいんだろうけど」
──ずいぶんと手厳しい。ひょっとして、ナイキがお嫌いですか?
Maître Nagai「こらこらこら。合わないっていうのは、あくまでもこのモデルについて。てか、ナイキは昔、俺の師匠のラモスさんが履いてた時期もあったし、ナイキ・ジャパンのA山さんにはバルセロナ・オリンピック予選のころからお世話になってるんだから」
◆Maître Nagai「ナイキが好きな人。クリスティアーノ・ロナウドが好きな人。ネイマールが好きな人」
──A山さんには我々もお世話になっておりまして。あ、それはそうと、マスター・ナガイが初めてサッカー・マガジンにカラーで登場した85年11月号の表紙、まだ日本国籍を取る前のルイ・ラモス・ソブリーニョさんでございます。ご縁がおありなんですね。
Maître Nagai「へ~え」
──ちなみに、この時のラモスさんが履いてるスパイクは、アシックスの固定式でラインは黄色。かなり使い込んでいるようにもお見受けできますので、推察するに、80年代の名機インジェクターXLではないかと。あのカーフ革。絶品でございました。
Maître Nagai「懐かしいねえ。固定式がインジェクターで、取替式がシャペ」
──話をナイキに戻しましょう。このスパイクは、どういう人が選んだらいいのでしょう。
Maître Nagai「ナイキが好きな人。クリスティアーノ・ロナウドが好きな人。ネイマールが好きな人」
──答えになっていないような気がいたしますが。
Maître Nagai「ごめん。他に思いつかない。てか、こんなこと言って大丈夫かな」
──大丈夫でしょう。
Maître Nagai「なぜそう断言できる?」
──しょせん、恨まれるのはマスター・ナガイだけでございますから。
Maître Nagai「‥‥」
(以下次回へ 取材協力/東京ヴェルディ1969)