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プロボクサー久我勇作「認められて世界へ」Vol.1

2018年5月10日、久しぶりに注目度の高い日本タイトルマッチが行われることが発表された。7月27日、東京・後楽園ホールにて、日本スーパーバンタム級王者の久我勇作(27)が、同級1位の和氣慎吾(30)と3度目の防衛戦を行うことが決まったのだ。 初の世界挑戦に向けていま最も勢いのある久我と、過去に世界挑戦を経験し再び世界を目指すリーゼントがトレードマークの和氣。ともに複数の団体で世界ランキングに名を連ねる実力者同士の2人が悲願の世界タイトルに向けてサバイバルマッチを行うというのだから、ボクシングファンはワクワクしないわけがない。 そんな一戦を2ヶ月後に控え、居ても立っても居られなくなった筆者は、現在の久我の様子を確かめるべく、久我の元を訪れて、話を訊くことにした。

Icône segawa.taisuke1Taisuke Segawa | 2018/05/27
きっかけは和氣の直訴

 この試合が組まれることになったきっかけは、2018年3月27日に、和氣がとったある行動にあった。その日のメインイベントは、日本スーパーバンタム級王者の久我と、同級1位で指名挑戦者の小坂遼によるタイトルマッチだった。日本王者の久我にとっては、世界前哨戦と目された試合でもあった。

 奇しくも、この日、タイトルマッチの前に行われたエキシビジョンで、急遽リングに上がってスパーリングをすることになった和氣は、スパーリングパートナーとしての役目を終えると、リング上でマイクを握り、メインイベントで行われるタイトルマッチの勝者との対戦を呼びかけたのだ。
 その後に行われた試合で、久我は、挑戦者の小坂遼に対し、1ラウンドに2度のダウンを奪っての圧勝を納める。久我の強さを目の当たりにした和氣は、試合後に久我の控室を訪れて、再び、自ら対戦を直訴したのだ。
 この和氣の行動に対して、試合の翌日、久我は自らのブログでこう綴った。


「試合の後、インタビューを受けている時に、控え室にリーゼントボクサーの和氣選手が来てくれました!これが決まったら盛り上がると思います。是非やりたいです!」


久我の本音

 本当に心底からそう思っているのか?

半信半疑だった筆者は、あえて、
和氣の行動について、久我に質問してみた。だが、久我の回答は同じだった。


和氣選手が僕を指名してくれて、純粋にすごく嬉しかったですね。ブログに書いた時は、まだ試合は正式には決まっていませんでしたけどね。今までも強い選手とやってきましたけど、いろんなタイプの選手と試合していけば、自分の対応力もつきますし」


挑戦を受ける立場だが、タイトルを守ろうとか、立場を守る気はさらさら、ないようだ。

ただただ、世界の頂点を目指しているのだ。

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Interview / texte / photo :Yasuyuki Segawa