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さらなる高みのステージへ。山本彩の大熱狂ステージに見た、ロック魂と「シンガー」としての無限の可能性【メトロック2018ライブレポート】

春フェスの代名詞といっても過言ではないメトロックが大阪、東京で開催。4日間延べ約86,000人ものオーディエンスが集まり、日本最高峰の音楽に酔いしれた。ここでは、今回が初のフェス出演となったシンガーソングライター山本彩を2都市通して取材。彼女がアーティストとして追い求めてきた曇りなき“ロックドリーム”。それを体現し、ファンの心を魅了し続けた2都市のライブレポートをお届けする。

IcôneIppei Ippei | 2018/05/29
大阪府堺市「海とのふれあい広場」で5月19日・20日、そして東京都の新木場「若洲公園」で5月26日・27日に開催された今年のメトロック。

出演アーティストにはback number、エレファントカシマシ、サカナクション、UVER world、ゲスの極み乙女、MAN WITH A MISSIONなど、計44組の豪華なラインナップが集結した。

会場は両都市それぞれ3つのステージがあり、大きい順に大阪は「BAY FIELD」、「GREEN HILL」、「NEW BEAT SQUARE」。

東京は「WINDMILL FIELD」「SEASIDE PARK」、「NEW BEAT SQUARE」というステージの構成になっている。

山本彩は大阪で「GREEN HILL」。


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東京では「SEASIDE PARK」でライブを行った。

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出番前のバンドメンバーによるサウンドチェックを聴くことができるのは、フェスの楽しみ方の一つ。

そして、その音に引き寄せられるかのように、開演前には沢山のオーディエンスが集まり、山本彩の出番を待ちわびた。

時を迎え、出陣前の円陣の声が舞台袖から聞こえると、会場の興奮状態が一気に高まった。

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はじめに披露したのは、阿部真央が楽曲を手掛けた「喝采」。

ドラムのフィルから始まり、ベースとギターが合わさってグルーヴを作り上げると、そのメロディに乗って山本彩がステージ上に姿を現した。

会場から大声援を受けるなか、モニターに足を乗せてアコースティックギターを掻き鳴らし、初めて山本彩のライブを観るオーディエンスに挨拶代わりのアッパーソングでスタート。

『喝采』の決め言葉である「決まってんでしょストレート一本勝負よ」という歌詞を表現するかのように、疾走感溢れるサウンドと歌で会場をさらに熱く盛り上げる。オーディエンスからもBメロやサビで「オイ! オイ!」とコールが入り、すぐさま一体感を作っていった。

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2曲目には、レスポールに持ち替えて「レインボーローズ」を披露。

この爽やかな疾走感あふれるロックナンバーは、1stアルバムの表題曲であり、自身の“無限の可能性”への挑戦を込めた一曲でもある。

続いて、ギターをホワイトファルコンを持ち替えて演奏した曲「JOKER」へ移ると、会場のボルテージはさらに加速していく。

「初めまして、山本彩です。凄い景色ですね。私は、ずっとフェスに出るのを目標として音楽をやっていたので、今日こうしてステージに立てるのが嬉しく思います。はじめましてのお客さんも沢山いると思いますが、私の音楽を知って帰ってほしいと思います」

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そう一言添えると、4曲目では前半のロックナンバーから一転してスローバラード「サードマン」を披露し、やわらかな音色を奏でていく。

ピアノの旋律、歌詞、歌の世界観が野外とぴったりとシンクロし、澄み渡った青空に響く等身大の応援ソングがオーディエンスの心を掴んでいった。

「次の曲は、CMで歌わせて頂いてる曲で、皆さんも聴いた事がある曲かもしれません」と語ると、歌い始めた曲は「ひといきつきながら」。

“今日を生きる全ての人に幸せだと思える瞬間がありますように”

ピースフルでしっとりとした楽曲で、音楽性の幅の広さを印象付けると、エンディングではブルースハープで会場を温かく包み込んだ。

そして、メトロックフェス後半戦では怒涛のロックナンバーが続いていく。

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この日のバンドには、小名川高弘(Key&G)、草刈浩司(G)、奥野翔太(B/WEAVER)、よっち(Dr)、Ayasa(Vn)、Asami(Cho)、木内(マニピュレーター)のチームSYと呼ばれるメンバーが集結。

山本彩にとっては、共に2度のツアーを完走した思い出深い仲間たち。その阿吽の呼吸で、それぞれが音を奏でていった。

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6曲目の「彼女になりたい」では、終盤にオーディエンスと共にコール&レスポンスで熱唱。フェス映えする楽曲「スマイル」「Let’s go crazy」のラスト2曲は、山本彩ライブでもお馴染みのタオルを振り回すスタイルで、会場はこの日一番の一体感を生み出した。

そして、最高潮の盛り上がりを見せたまま、ライブは終了の時を迎えた。

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「今日は、ありがとうございました。 熱中症にも気をつけて、この後も楽しんでください」

大阪、東京とも多くを語らずに、自身の楽曲、演奏、そして歌で初めてのフェスに挑んだ山本彩。全セットリストを終えると、晴れ晴れした表情でオーディエンスに別れを告げていた。

そして、この日の1曲目に披露した「喝采」が、“#メトロック2018の神曲決めようぜ”のハッシュタグで投稿された楽曲の中から、最も多くの票が集まった楽曲に選ばれ、5月27日(日)の放送内でスペシャルアンコールとして放送された。

※「AbemaTV」で生中継された、メトロック東京2018の映像はこちら↓
https://abema.tv/video/title/289-16

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挑戦しなければ、見えない景色、出会えない人、訪れない機会が誰の人生にもある。

 いつだって、挑戦にはリスクも伴うが、乗り越えた人間だけに待っている未来が確かにある。

 「もっともっと頑張って曲を作って、皆さんをいろいろなところに連れ出して行きたいと思います。これからも期待してください」と昨年のツアーで宣言したように、メトロックという日本屈指のロックバンドが集まるフェスで、普段の活動とは全く異なるアウェイのような環境で、長年積み上げた音楽愛、ロック魂を確かにその地に刻み込んだ。

 今回、兼ねてからの夢であったロックフェス出場を叶えた山本彩だが、彼女が描く夢は、まだまだ終わってなどいない。むしろこれからだ。

 東京と大阪2都市のフェスに参加したTHE ORAL CIGARETTESは、昨年のメトロックで出演4回目にして初めてメインステージに立つことができたという。

 山本彩もアーティストとしてさらに進化し、音楽シーンで確かな輝きを放ち続けることで、必ずメインステージへの切符を勝ち取ることができるはずだ。

 彼女は、自らの音楽で熱狂させたオーディエンスを、次はどこに連れていくのか。

 その物語の主人公は、音楽で沢山の人を繋ぎ、メインステージへと駆け上る姿を、きっと見せてくれるだろう。



■『山本彩 メトロック2018  東京、大阪公演セットリスト』


1 喝采 

2 レインボーローズ 

3 JOKER 

4 サードマン 

5 ひといきつきながら 

6 彼女になりたい 

7 スマイル 

8 Let's go crazy


Site officiel d'Aya Yamamoto →http://yamamotosayaka.jp/


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取材協力/TEAM LIMITED/ティーム有限会社(東京)

    
 株式会社キョードー大阪(大阪) 

ライブ写真提供©Metrock 2018 Photo by 本田裕二 (東京)、日吉"JP"純平(大阪) 

取材、執筆/池田鉄平
編集/佐藤主祥