79319464 746889285824026 4918605412191698944 n

現役だからできること。セパタクロー・玉置大嗣が全日本選手権に100人集客する理由。

現役選手でありながら、自ら12月28日、29日に行われるセパタクロー全日本選手権に100人集客するプロジェクトを立ち上げている日本代表・玉置大嗣選手。 東南アジアで盛んなセパタクローの日本との文化的な違いと、3人1組という少し変わった人数構成から来る競技特性は興味深いものがあった。 後編では全日本選手権100人集客プロジェクトを行うことにした経緯と、アスリートとして積極的な発信を行う理由、選手としてのキャリアの考え方について伺っていく。

Icône 19441337 1436670123094269 1330815580 nSen grand arbre | 2019/12/20

支えてくれる人の存在が競技発展への貢献を決意させた


‐12月28日、29日には全日本選手権が開催されますが、そこに100人集客するプロジェクトを選手である玉置さん自らが企画しています。その理由を教えてください。

社会人1年目の冬に前十字靭帯断裂のケガを負って、その間代表から外れていたのですが、学生時代からのファンの方々が支えてくれました。
応援してくれてる人の存在を感じた時、セパタクローの未来に貢献したい、魅力をもっと発信していきたいと思うようになったんです。そこが原点になって、今子どもたちにセパタクローを教えたり、集客プロジェクトの立ち上げに繋がっています。
もう少し具体的に言うと、2026年に名古屋でアジア大会が開催されることが決まっており、そこを観客で満員にしたいという目標があります。
そして将来の個人的な目標としてはセパタクローの国内リーグを作りたいという野望があります。ただリーグを作っただけでは観客は来ないと思うので、まずは全日本選手権に来てもらってセパタクローについて知ってもらいたいというところです。

‐アスリートとして競技力を高めつつ、競技の認知向上などの活動を両立させるのはなかなか大変なことだと思います。

実は日本は昨年2018年に行われたアジア大会でダブルスが銅メダル、クワッドが銀メダルを獲得するなど、世界の舞台で結果を残してきていて、それに伴いスポンサーが付いたりもしています。
とはいえまだセパタクローは日本ではマイナーな競技で、リソースが足りていないことは事実なので、それなら選手も主体的にできることを考えてもっと行動すべきだと思ったんです。
実は昨年も全日本選手権に100人集客するという目標を掲げてやっていたのですが、目的や達成するための施策をちゃんと考えられていないところがあってうまくいきませんでした。呼べたのは大体20人ぐらいですかね。
昨年の反省をふまえ、今年はセパタクローのルールやポジション別の魅力を自分でブログ(リンク)に書いて発信しています。また当日は自分は試合のない時間に他の選手を巻き込みながらその場で実況・解説をできたらと考えています。
100人がまとまって観戦しているだけでも会場の雰囲気は全然違うと思いますし、僕を応援してくれている人同士が繋がる場にもなればいいなと思っているので今年は達成したいですね。

Thumb c0005 moment

発信力を現役のうちに付けることが、その後のキャリアをつくる


‐現役選手が自ら発信を積極的に行っていくことでいろいろな人と繋がれれば、引退後のキャリアにも活きてくると思います。

そうですね。現状セパタクローだけで生活することは難しいかもしれませんが、アスリートとしての価値を高めてビジネスに落とし込み、そこから社会性のあることに繋げて稼いでいくというのは意識しています。
アスリートの価値は現役選手であるうちにしか高められないと思っているので、今のうちから発信して、引退してから何ができるかを意識した上で活動していきたいと思っています。
自分の活動の様子を通して他のマイナー競技の選手や関係者が刺激を受け、業界全体が盛り上がっていったらいいなという気持ちもありますね。
競技や立場の垣根を越えて一緒に盛り上げてくれる仲間を作れたらと思っているので興味ある方はぜひご連絡ください!

‐アスリートの積極的な情報発信という点で、今会ってみたい人はいますか?

フェンシングの太田雄貴さん、武井壮さん、本田圭佑さんとかですかね。アスリートの価値を最大化するという点で事業をやったり活動されているのでお話聞いてみたいです。
ちなみに本田圭佑さんのYouTubeをやっている人にはセパタクローを一緒にやりませんか?とアプローチしたことがあるんですけど、断られちゃいました(笑)

 ‐最後にセパタクローをこれから初めて観る方にメッセージをお願いします。

セパタクローはアクロバティックなところに目が行きがちですが、実はトサーの繊細なボールタッチがあった上でのアタックなので、そういうところにも注目してほしいです。セパタクローを少し玄人目線で見ることができると思います。
ぜひそのプレーの魅力を12月28日、29日に行われる全日本選手権に足を運んでいただき、生で感じてください。会場でお待ちしております!!


【動画ありの前編はIci

<取材・文・写真=森 大樹>
※トップ写真のみTsumomu Takasu

〇第30回全日本セパタクロー選手権大会
日時:2019年12月28日(土)、29日(日)
(両日9:00開場、28日11:00試合開始、29日10:00試合開始)
場所:駒沢オリンピック公園総合運動場・屋内球技場
※観戦無料・入退場自由
※玉置選手はSC TOKYO wingsとして出場予定
→詳細はIci