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「涼しい」東京ドームで大活躍の真中満「俊足好打」魅せてスーパープレー賞獲得 ヤクルトOBが集ったドリームマッチ

往年の名選手たちが一堂に集まる夢の祭典「サントリードリームマッチ2024」が、今年も8月5日に東京ドームで開催された。28回目を迎える今年はチケット完売の大盛況。初回から度肝を抜くホームランあり、数々の名勝負あり、ファインプレーありと、盛りだくさんの内容で満員のファンを魅了した。 最優秀選手賞はザ・プレミアム・モルツ球団から井口資仁、敢闘賞にはドリーム・ヒーローズからアレックス・ラミレス、スーパープレー賞を天谷宗一郎と真中満が受賞した。※トップ画像:筆者撮影

Icône img 20200702 114958 井上 尚子 | 2024/08/18

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ザ・プレミアム・モルツ球団とドリーム・ヒーローズが一夜限りの集結(筆者撮影)

「涼しい」東京ドームで熱いプレーの連続

ドリームマッチは6回目の出場になる真中。試合前、打撃練習を終えてインタビューエリアにやって来たときには、玉の汗を浮かべていた。「#涼しい」のハッシュタグで扇風機の写真を投稿するなど、暑がりとして知られる真中。「今日も扇風機はバッグに持ってますよ。でも東京ドームは涼しいからいいね」と笑顔だった。

選手紹介には「俊足好打の外野手。シュアーな打撃とパンチ力」とありますがと水を向けると、「全然ないですよ」と笑い飛ばす。

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試合前インタビューの真中は玉の汗(撮影/白鳥純一)

「俊足もないし、好打もないし。今日は怪我しないことが目標。あとはちょっとスイッチ入ったりする時があるので、絶対にスイッチを入れずに走る。入ると肉離れしちゃうんで(笑) 穏やかに過ごしたいと思います」

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試合前に「ラミちゃん」と談笑する真中(筆者撮影)

今日はしゃべる仕事ではないから、と終始控えめなコメントだったが、試合が始まるとその姿は“プロ野球選手”となった。


「外野は遠いんで往復するの大変なんですけど(笑)」

スタメンセンターで出場し、「外野は一番遠いんで往復するの大変なんですけど(笑)」とおどけた真中だったが、この日の活躍は主役級だった。打ってはタイムリーを含む2安打。守ってはセンター後方へのフライを背走してのランニングキャッチ。素晴らしいプレーでファンを魅了した。後にはボールを外野席に投げ入れようとして届かず、慌ててやり直す場面もあり、爆笑を呼んだ。ドームの盛り上がりは最高潮だった。

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スーパーキャッチを見せ、大歓声に応える真中(筆者撮影)

超満員の観客の度肝を抜く連続ホームラン

ザ・プレミアム・モルツ球団は9連勝中。ドリーム・ヒーローズは連敗脱出を図る。28回目のドリームマッチで、出場回数28回のベテランあり、引退したばかりで初出場の選手あり。往年の名選手たちの姿に観客は沸き、意外なプレーに歓声を上げ、ファインプレーに喝采する。普段はプレーから離れているOBたちも、みな野球を楽しむ野球少年に戻っていた。

初回にザ・プレミアム・モルツ球団先発の工藤公康から、いきなりホームランを放ったのは初出場の福留孝介。続くアレックス・ラミレスが、いまだ輝きを失わない圧巻のスイングを見せると、打球はレフトスタンドに一直線。貫禄の確信歩きにドームは興奮状態となった。

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貫禄の確信ホームランを放つラミレス(筆者撮影)

この日解説の徳光和夫アナウンサーによれば「奥さんのジムで鍛えている」というラミレスの体躯は、堂々としていて年齢を感じさせない。明るいキャラクターもそのままだ。

宮本慎也がショートを守り、三遊間に飛んだラミレスの打球をキャッチする場面もあった。現役時代を思わせるプレーに拍手が送られた。

試合前に自らノックを行った大矢明彦の「背番号27」姿、センターを守った飯田哲也の「背番号2」姿も、ファンにとっては嬉しいものだった。


「若手」OBが攻守に活躍

「最後はベテランとしてやらせていただいたので、プロに入ったころの気持ちをちょっと思い出しますね」と周囲の先輩たちを見て目を細めたのは“若手”の内川聖一。昨年独立リーグKL大分で引退したばかり。出場は昨年に続き2回目だ。

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引退間もない“若手”の内川(筆者撮影)

「野球教室に行っても子どもたちのバットを振ることはあっても、重いバットを振ることがあまりないので、前から来るボールが打てるかな、という不安はあります」

5回には真中のスーパーキャッチに阻まれたが、最終打席でヒットを打ち、守備でもジャンピングキャッチを見せるなど、若さを発揮した。


ファン必見のOB対決

ヤクルトOBとしては、古田敦也が初回からマスクをかぶったが、見ものだったのは2回表の打席だった。古田が打席に入ると、ドリーム・ヒーローズは投手交代。能見篤史から代わってマウンドに上がったのは、荒木大輔だった。1992年に怪我から1541日ぶりに復活した荒木と、受けた古田の姿は、多くの人の脳裏に焼き付いているだろう。オールドファンは感慨に浸るところだが、投げたボールはすっぽ抜け。そこで古田は高めの球を打つ大根切りの素振りを始め、笑いを誘った。結果、大根切りのスイングで放った打球はレフトフライに終わった。

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荒木vs古田の貴重な対決も(筆者撮影)

8回には五十嵐亮太が登板。キャッチャーは古田、打席にラミレスという夢のヤクルト対決が実現した。五十嵐はいまだ衰えない速球で押すピッチングを見せるが、球威のある球をセンター前に打ち返したラミレスはさすがだった。

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ラミレスを打ち取り、笑顔の五十嵐&古田バッテリー

近鉄対決、広島対決、横浜対決などファン必見の対決が目白押し。槙原寛己とランディ・バースの対決には、「お約束」ながらひときわ大きな歓声が上がる。昨年に続き「電撃トレード」での上原浩治と高橋由伸の対決も実現した。


生の迫力を味わえる夢の祭典

試合は初回にドリームヒーローズが3点を先制するも、ザ・プレミアム・モルツ球団が代打・中村紀洋のタイムリーなどで追い上げ、7回には飯田哲也の犠牲フライで勝ち越し。9回は守護神・岩瀬仁紀が登板。里崎智也、松田宣浩と連続ヒットで二死2,3塁に。最後まで接戦を演じたが、岩瀬が抑えきった。ザ・プレミアム・モルツ球団は10連覇を飾った。

スーパープレー賞を受賞した真中は、「意外と守備好きなんで。足は動かないけど頑張りました」と笑顔を見せた。

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スーパープレー賞を受賞してインタビューに答える真中(筆者撮影)

引退しても、年をとっても、彼らは動き、野球をしてファンを楽しませるプロだった。普段は見られない姿、ここでしか見られない風景に、ファンは心を躍らせ、一緒に野球を楽しんだ。生で見る名選手たちの姿には今なお迫力があり、色褪せることのない彼らの輝きが心に残る一日だった。

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Photographié par l'auteur

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各賞受賞者(左からスーパープレー賞:天谷・真中、MVP:井口、敢闘賞:ラミレス)