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パリ五輪・日本人メダリストの活躍と注目の戦いを総括(大会12日目)

現地時間の 8月11日にパリ五輪が閉幕した。ここでは現地時間の8月7日の(日本時間8月7日〜8日)大会12日目にメダルを手にした日本人選手たちの活躍や、注目選手の戦いぶりを振り返る 。※トップ画像出典/Getty Images

Icône icône kinggearKING GEAR Département Editorial | 2024/08/22

大会12日目には、レスリングの男子グレコローマンスタイル60kg級で文田健一郎が金メダル、レスリングの女子68kg級で尾崎野乃香が銅メダル、スケートボード・女子パークに出場した開心那が銀メダルを獲得した。

レスリング・男子グレコローマンスタイル60kg級 文田健一郎 金メダル

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出典/VCG via Getty Images

東京五輪の銀メダリストである文田健一郎は、惜しくも金メダルに届かなかった前回大会の雪辱を果たすべく、パリのマットに上がった。

2回戦、準々決勝とテクニカルスペリオリティ勝ち進み、力の差を見せつけた文田は、準決勝で今年4月に世界選手権連覇を成し遂げたゾラマン・シャルシェンベコフ(キルギス)と顔を合わせた 。試合序盤は相手に先行を許す我慢の展開が続いたが、第2ピリオドに文田が得意とする『反り投げ』で4点を獲得して逆転。そのリードを守り切り4対3で勝利を掴んだ。

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Source/Getty Images

決勝では昨年世界選手権3位の中国代表、曹利国(ソウ・リコク)と対戦した文田は、積極的なレスリングで1点を先制すると、曹を回転させて2得点を追加し、3対0で第1ピリオドを折り返した。

第2ピリオドでは曹に1点を返されたものの、相手のチャレンジ失敗による1得点を加えて4対1とし、粘り勝ち。日本人選手としては1984年のロサンゼルス五輪以来、40年ぶりのグレコローマンスタイルでの金メダリストが誕生した。

【対戦結果】

2回戦:11対1(7対0、4対1)テクニカル スペリオリティ勝ち 対ケビンユラン・デアルマス・ロドリゲス(キューバ)
準々決勝:9対0(9対0、---)テクニカル スペリオリティ勝ち 対メフディセイフォラ・モフセンネジャド(イラン)
準決勝:4対3(1対0、4対2) 判定 対ジョラマン・シャルシェンベコフ(キルギス)
決勝:4対1(3対0、1対1) 判定 対曹利国(中国)

レスリング 女子68キロ級 尾﨑野乃香 銅メダル

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五輪初出場の尾﨑  野乃香は、1回戦でベネズエラのソレイミアントニエタ・カラバジョエルナンデスと対戦した。開始早々に4点を先制すると次々に得点を重ね、開始32秒で10対0とし、テクニカルスペオリティ勝ちで2回戦へと駒を進めた。

だが、東京五輪銅メダリストのメーリム・ジュマナザロワ(キルギス)との2回戦では、背後のカウンターから失点を重ねて0対6に。第2ピリオドに猛追し一時は同点に追いついたものの、ジュマナザロワに振り切られて6対8で敗戦。一度は62kg級で敗れながらも階級を上げてまで挑んだ金メダル獲得の夢は、ここで潰えることとなった。

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それでもジュマナザロワの決勝進出により敗者復活戦に臨むことが決定し、メダル獲得の可能性が残された尾﨑は、3位決定戦進出をかけて、世界ランキング2位のデルゲルマ・エンフサイハン(モンゴル)と戦うこととなった。実績で上回るエンフサイハンが仕掛けるタックルにカウンターで応戦する尾﨑は、着実に得点を重ねて6対0で勝利し、前回大会銀メダルのブレッシング・オボルドゥドゥ(ナイジェリア)との3位決定戦に駒を進めた。3位決定戦で第1ピリオドから果敢に攻める尾﨑は、得意とするスピードディなタックルから相手を倒して2点を先取すると、第2ピリオドでも点差を広げて、3対0で逃げ切り勝ち。初挑戦の五輪で表彰台に食い込んだ。

女子スケートボード パーク 開心那 銀メダル

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Source/Getty Images

日本人の母を持つアリサ・トゥルー(オーストラリア)とスカイ・ブラウン(イギリス)がそれぞれ金メダル、銅メダルを獲得。日本に関わりのある3選手が表彰台を独占した。

前回大会銀メダルの開心那は予選1位で決勝に進出すると、1本目から『ウォールライド&ノーズグラインド』などの得意技を成功させて91.98ポイントで首位に立ったが、最終3回目のランで、アリサ・トゥルー、スカイ・ブラウンが高難度の技を成功させたことで、一時は3位に順位を落とした。上位進出に向けて失敗が許されない中で迎えた最終滑走で、開は『ノーズグラインド』に加えて、空中で回転する板を手で掴む『キックフリップ・インディー』も成功させたが、首位トゥルーには及ばず。2大会連続の銀メダルを獲得した。

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Source/Getty Images

一方、右膝後十字じん帯断裂の大けがを乗り越えて大会に臨んだ前回王者の四十住さくらは、10位と成績を伸ばせずに予選敗退。速いスピードのスケーティングを武器に日本選手権を3連覇した草木ひなのは、3回目のランで空中身体を1回転半させる大技『バックサイド540』を決めたものの、8位に終わった。

【予選】

1位:開心那 88.07 
3位:草木ひなの 85.11 
10位:四十住さくら79.70

【決勝】

1位:アリサ・トゥルー(オーストラリア)93.18
2位:開心那 92.63
3位:スカイ・ブラウン(イギリス)92.31
8位:草木ひなの 69.76