ラストの鉄棒での劇的な逆転劇で金メダル!体操団体~プレイバックパリ五輪2024~
パリオリンピックで行われた体操団体戦で、日本男子チームは金メダルを獲得し、前回の東京2020の雪辱を晴らした。最後はエースの橋本大輝選手が鉄棒で完ぺきな演技を見せ、鮮やかな逆転勝ちでつかんだ栄冠だった。※メイン画像出典/Europa Press via Getty Images
パリ五輪“体操団体”をおさらい
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体操団体は、各チームが複数の種目で演技を行い得点を争う競技だ。男子団体は「ゆか」「あん馬」「つり輪」「跳馬」「平行棒」「鉄棒」の6種目、女子団体は「跳馬」「段違い平行棒」「平均台」「ゆか」の4種目から構成される。各種目では、1チーム5人中4人が演技を行い、そのなかで得点の高い3人の合計得点で争われる。体操の採点は「Dスコア」と「Eスコア」の2つで構成されている。Dスコアは演技の難易度を示すものであり、高度な技を成功させることで高得点が狙える。一方、Eスコアは技の美しさや完成度を評価し、最大10点から減点方式で得点が決まる。この2つのスコアを合計し、さらに落下やラインオーバーなどのペナルティが減点され、最終的な得点が算出される。
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団体戦では、各選手がどの種目で出場するかや得意分野を最大限に活かすための種目配置など、チーム全体での調整が勝敗を左右するポイントだ。特にオリンピックのような国際大会では、プレッシャーの中でミスを最小限に抑えつつ高難度の技に挑む必要があり、選手の精神力やチームワークが試される。
プレイバックパリ五輪2024ホットな瞬間
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予選では、初出場となる岡慎之助選手の堅実なパフォーマンスに注目が集まった。平行棒では岡選手に加え、谷川航選手が着地を完璧に止め、15点台という高得点を獲得。3種目目の鉄棒では、橋本大輝選手が最後の着地で大きく前に手をつくミスを犯し、13.733と得点を落とした。その後のゆかでも、G難度の技「リ・ジョンソン」で着地が乱れ、1歩動くミスを見せて再び13.733の得点となり、日本男子チームは苦しい展開となった。一方で、岡選手は全ての種目で安定した演技を見せ、そのたびにチームを救ってきた。さらに、萱和磨選手と杉野正尭選手も得点を伸ばし、6種目の合計得点は260.594を記録。予選ではトップの中国に次ぐ2位の得点を叩き出し、決勝進出を果たした。
プレイバックパリ五輪2024【日本選手メダル獲得の瞬間】
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日本男子チームが金メダルを獲得した瞬間は、劇的で感動的な場面だった。1種目目のゆか、2種目目のあん馬では、難しい技を次々と決めて最大のライバルである中国をリードする。しかし、3種目目の吊り輪で巻き返され、日本男子チームは5位と大きく順位を落とした。4種目目の跳馬、5種目目の平行棒では、岡選手、萱選手、杉野選手が踏ん張り、2位に浮上。トップの中国との差を、3.267点に縮めて最終種目の鉄棒を迎える。
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鉄棒ではトップバッターの杉野選手、2番手の岡選手ともにミスなく華麗な演技を見せる。すると、中国の2番手であるス・ウェイデ選手が序盤に落下。再度演技をやり直すが、11.600点と大きく得点を落としてしまった。逆転のチャンスに送り出されたのは、エースの橋本選手だった。大技を次々に成功させると、最後の着地も完璧に決める。その瞬間、会場の緊張感は歓声に変わっていた。この演技で日本チームはついに中国を逆転し、2大会ぶりの金メダルを手に入れた。最後の鉄棒での逆転劇はまさに「体操ニッポン」の底力を見せつけた瞬間といえるだろう。
パリ五輪2024キングギア編集部が注目した選手
日本の最大のライバルである中国代表は、最後まで脅威といえる存在だった。特につり輪における中国の強さは際立っており、歴代世界選手権での優勝者たちがその実力を証明した。2022年世界選手権で銀メダルを獲得したゾウ・ジンユエン選手が14.933点、東京2020オリンピックのつり輪王者リウ・ヤン選手が15.500点と、ほぼ完ぺきな演技で高得点を記録。この時点でトップを走っていた。しかし、最終種目の鉄棒で中国の2人目となるス・ウェイデ選手が演技中に落下してしまい、これが中国チーム全体の流れを変えることとなった。その後は、中国のエースであるチャン・ボヘン選手が素晴らしい演技を披露したが、わずか0.532点差で日本に敗れ、連覇の夢は途絶えてしまった。
【日本男子団体】パリ五輪の戦績
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ゆか 43.266点
あん馬 42.332点
つり輪 42.633点
跳馬 43.433点
平行棒 44.365点
鉄棒 43.565点
決勝:合計259.594点(1位)
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