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F1角田裕毅、最高の瞬間は「やっぱり鈴鹿」ー2024年シーズンを振り返る

2024年のF1シーズンは、史上最多の24戦で激戦が繰り広げられた。マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)が、4年連続4度目のタイトルを獲得。日本人では、角田裕毅(ビザ・キャッシュアップRBフォーミュラ1チーム)が予選最高3位を獲得し、F1史上最多となる全24レースを戦い抜いた。角田選手が今季最も印象に残ったベストシーンから、参戦5年目を迎える来季の展望まで、その独占告白を紹介する。※トップ画像出典/Getty Images

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「ピットが良かった」序盤に好走した理由を分析

2024年シーズンに角田は「ビザ・キャッシュアップRBフォーミュラ1チーム(Visa Cash App RB Formula One Team)」 に所属。同チームは、2023年まで「スクーデリア・アルファタウリ」として知られていた組織が改名したものだ。

2024年4月、鈴鹿サーキットで開催されたF1日本GPにて、角田選手は10位でフィニッシュし、ポイントを獲得。角田選手にとって鈴鹿サーキットで念願の初入賞となった。DAZNでF1実況を務めるサッシャ氏に凱旋の気持ちを聞かれた角田選手は「念願ですね。特に過去2年は入賞に近かったので…。去年もチャンスがあったのをつかみきれなかったのが本当に悔しかった」と、今年こそはという意気込みで臨んだことを明かした。

今シーズンはピットが良かった。「僕に合わせたセッティングが良かったんじゃないか」と振り返る角田は「一昨年は、ピットでストップすることが多かった。それを学びとして強くなった」と、ピットクルーの努力を認めた。

「人もほとんど代わってないですから。どちらかというと、増えた方。メカニックはそんなに代わっていない」と話す。良い雰囲気で初戦からポールポジション争いに絡んでいける状態だったという。

ムードはピット内にも充満していた。角田は各クルーの内心から「集中しよう」という意識をどんどん感じたという。「みんながそういうマインドセットになってくれたことがうれしかった」と振り返った。

鈴鹿の好走で「F1月間最優秀オーバーテイク賞」に輝く

結果もついてきた。鈴鹿の好走で「F1月間最優秀オーバーテイク賞」を受賞した。同賞は2023年シーズンから導入された、レース中に最も華麗なオーバーテイク(追い抜き)操作を敢行したドライバーを称える賞だ。角田は、鈴鹿ターン6のアウト側からニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)を抜き去ったシーンがファンに支持された。

「あのオーバーテイクは3コーナー前から始まっていた。コーナー前から事前に準備して、ライン取りをできるだけコーナーの外側を回るようにイメージしてやっていました」と角田は振り返る。一度イメージがついてしまえば「あとは自然と体が動いていった」という。「鈴鹿でよく走っていたマシンですし、強みでもあった」。これにはサシャ氏も「天才肌です!」と感嘆していた。

2025年シーズンも同チームでF1参戦が決定している。5年目の抱負を聞かれた角田は「もちろん今年を超えたい。サシャさんが実況をしやすいように!つまらないレースだと思われたくない」と意気込んでいた。「鈴鹿で9位以上。チームの調子がよければトップ5」を目指すと誓った。

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「負けたら、終わる…」戦う覚悟が切り開いた、世界最高峰への道ーーF1・角田裕毅が初めて涙した“惜敗”と乗り越えた“洗礼”

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チームが困っているときこそ新たな発見もできる

角田は後半戦でポイントをなかなか獲れなかった心境を問われる。「焦りはなかった」としながらも、「とりあえず自分の走りにだけ集中していこう」と思っていたという。

予選Q2の上位10位のドライバーがタイムを競い、決勝のポールポジションを決める「Q3」に届かなかったこともあった。それでも「自分がやりきったというレースをして、届かなかった悔しさを次に生かしていこう」と考え、コンスタントに走る姿勢を重視し奮闘したという。

角田は「それでも何戦かは自分のせいであるものがあると思うので、そういうところも改善しよう」とレースごとに考えていた。「チームが困っているときこそ、逆に新たな発見もできる」とし、「意識の鋭さ」が今シーズンは出てきたと自己分析した。

悔しかった10月メキシコシティGP予選でクラッシュ敗退

「セッションごと、特に予選に向けてクルマを作っていくか。自分が予選に向けて、どういうふうにクルマづくりをするかをフィードバックができたことによって、予選で最大限に引き出せるようになった」と語る。

今シーズンで一番良かった瞬間と悪かった瞬間を聞かれた角田選手は「鈴鹿。ポイントを獲得できた瞬間が一番良かった」と答える。対して悔しかったシーンは「メキシコの予選かな」と、10月のF1メキシコシティGP予選Q2でクラッシュし、敗退したシーンを挙げた。

 


『独占告白 角田裕毅 2024年のF1を語る』(独占告白 #1 : 帰還 ~日本GPと相模原~/独占告白 #2 : 奮闘 ~今シーズンの奮闘~)より

*Les informations contenues dans cet article ont été modifiées et diffusées en fonction du contenu au moment de la diffusion.