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「感謝と思い出を詰め込んだ」東京五輪銀・清水希容が語った想いーキヤノンが2026年アジア大会の協賛発表レポート

キヤノン株式会社が主催するキヤノン「アジア競技大会協賛調印式」が2月27日(木)に神奈川県のパシフィコ横浜にて行われた。ゲストとして登壇したのが東京五輪の空手女子形で銀メダルに輝いた清水希容(きよう)。イベントでは清水による演武が披露されたほか、キヤノン社の戸倉剛副社長と思い出の写真を前にトークショーを繰り広げ、来年名古屋で開催されるアジア競技大会についても語られた。※トップ画像撮影/松川李香(ヒゲ企画)

Icône 30716468 1048529728619366 8600243217885036544 nYoshitaka Imoto | 2025/03/05

1994年広島大会以来の日本開催

イベント内で発表されたのが2026年9月19日から愛知県で行われる「第20回アジア競技大会」へのキヤノン社の協賛。同社がアジア大会に協賛するのはインドネシアのジャカルタ・パレンバンで実施された2018年大会、中国の杭州での2023年大会(コロナ禍により1年後に開催)に続く3大会連続。1994年の広島大会以来32年ぶり3度目の開催となる日本大会での協賛が決まった。

調印式に出席したキヤノン社の戸倉剛副社長は壇上に上がると、「74年の歴史を持つアジア競技大会はスポーツの力で友情を育み、多様性を認め合うことを通じて国際平和に寄与するアジア最大のスポーツの祭典です。キヤノンはこうした大会理念に賛同し、2018年から2大会連続でオフィシャルパートナーを務め、今回32年ぶりに日本で開催される第20回大会も協賛させていただく運びとなりました」と挨拶。アジア・オリンピック評議会のフセイン・アル・ムサラム事務総長と調印式を行った。

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撮影/松川李香(ヒゲ企画)

調印式後に登場したのが東京五輪の空手女子形で銀メダルに輝いた清水。昨年の5月に競技生活を引退した清水だが、引退後も空手の普及に尽力している。この日も空手の形(かた)を実演し、迫力あるパフォーマンスで会場を魅了した。

清水は、「今本当にいろんな人たちに生で演武を見てもらえるように活動しているので、いつもとは違った雰囲気で、こうした開けた場所で演武ができた。声も通るなと思いながら演武をさせていただきました」と関係者を前に挨拶。

空手が2021年の東京五輪から正式種目となり世の中に浸透していったことに対し、「会場に来ないとなかなか自分たちのやっている演武が届かないんですが、こうしてみなさんたちがいろんな映像を撮ってくださったり、写真を撮ってくださるおかげでいろんな人たちに届けることができていた。本当にありがたくいつも競技をさせてもらっていました」と現役生活を振り返りながら感謝の弁を述べた。

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撮影/松川李香(ヒゲ企画)

現役時代から思い出の写真を選定

その後、トークショーが行われ、実際に演武を見た直後の戸倉副社長は、「『感想をこういうふうに言えばいいかな?』と思っていたんですけど、生で見ると予想以上に迫力がありましたし、圧倒されてしまいました。緊張感がある表情や気合いが入った掛け声、それが美しい所作になっているところに見入ってしまいました」と生のパフォーマンスを見届け想像以上だったと感想を述べた。

トークショーでは清水が選んだという現役時代の写真が披露され、アジア競技大会3連覇時のものをチョイスした清水さんは、「東京五輪の決勝でも行った形で、私がこれまで世界やいろんな大舞台の大事なところで必ず打ってきた形だった」と思い入れのある技だったことを明かしながら、「『もしかしたら私はここで競技を終えるかもしれない』ということを考えた大会でもあった。よりこの形に対しての感謝の想いと、これまでの思い出を詰め込んだ形だったので、そういう想いを思っていたのかなということで選びました」と自らの想いが乗っていたことを理由に挙げた。

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撮影/松川李香(ヒゲ企画)

また、2枚目も同じ形である「チャタンヤラクーサンクー」の写真を選んだ清水は、「どちらかというと、いつも以上にちょっと落ち着いた感じの表情。私はどうしても試合の時になると鬼のような形相になるんですが、勝ち負けだけではない表情が出ている」と1枚目とは異なる点に着目。戸倉副社長も、「スポーツの写真はスピードのなかで、流れを切り取っていくような場合が多いと思うんですけど、空手の形は激しい動きのなかで『動と静』が混じり合っている。その一瞬の静寂を上手く切り取って、的確に押さえた写真だと思います」と空手ならではの特徴に言及しつつその良さを分析した。

今回の発表で3大会連続となる協賛が決まったアジア競技大会に向けて戸倉副社長は、「大会の魅力のひとつとして柔道や卓球、サッカーのような有名競技以外にもアジア特有のカバディやセパタクローなどの競技もある。なので、このような機会にそれらをお楽しみにいただければ」と幅広いスポーツを楽しんでほしいとアピール。

清水は「いろんな大会を経験してきたなかで、舞台には一人で立っているんですが、本当にいろんな人たちの力や想いがひとつになるからこそ大会は素晴らしく輝くものだと思っています。また選手の素晴らしい雄姿をカメラ1枚に収めていただけたらと思います」とコメントし、イベントを締めくくった。


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撮影/松川李香(ヒゲ企画)


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