なぜ金子達仁(KING GEAR)はeスポーツを推すのか?
特に今年に入ってからeスポーツという言葉を聞いた方は多いだろう。流行語大賞トップテンにも入り認知されつつある。そんなeスポーツにKING GEAR発起人の金子達仁は全面的に期待しているという。その理由を探った。
Koike Kikuchi
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2018/12/16
Kaneko そもそもeスポーツはスポーツだと思う?
――スポーツだと思います。サッカーの練習時間は2時間くらいですが、eスポーツの選手は15時間とか時には寝ないでやっていますよね。サッカー以上に身体を酷使しているのでスポーツと言っていいんじゃないかなと思います。
Kaneko 「言っていいんじゃないかな?」という感じね。
――100%胸を張って「スポーツです!」と言い切れないのは、サッカーだと大量の汗を流しますが、eスポーツはそこまで汗をかかないからかもしれません。
Kaneko じゃあ囲碁は?
――囲碁はスポーツといえばスポーツだと思います…。Eスポーツと同じだと思います。
Kaneko 体は痛くならないよ。
――将棋などもそうですよね?
Kaneko あるいはダーツもそうだよね。
――それらを一括りにしてもスポーツと言えると思います。なぜなら勝つために必死に練習をするから…。
Kaneko 歯切れが悪いよね。スパンと「スポーツだ!」って言えないじゃない。それは日本人にとってスポーツが体育と訳されちゃったからだと思うのよ。体を育む、それが体育。
なぜ体を育むかというと富国強兵の為で、いい兵隊さんを作る為に体育だった。けれどもいい兵隊を作るためにeスポーツはおよそ役立ちそうにない。囲碁もダーツにしても。ゴルフが一時期スポーツではないと言われたのも、同じ理由だと思う。
菊池くんが言っているように「苦しくて汗を流して体を鍛えるもの」じゃないとスポーツではないという思い込みが、なされてしまってるからだと思うんだ。
でもスポーツの試合って英語でゲームっていうじゃない。ファイナルファンタジーもドラゴンクエストもゲームだよね。
ファイナルファンタジーをやっていた人間が「明日からドラゴンクエストをやる」と言っても何にも問題がないわけだよね。
でも今日まで野球をやっていた人が「明日からサッカーをやる」となると何か裏切ったような感じになるじゃない。
――「乗り換えたのか!」みたいに言われそうですよね。
Kaneko 体育ということと道、「○○道」みたいなものによって、日本人のスポーツ感覚が物凄く特殊なものになっていると思う。そういう観点から抜けられない方からするとeスポーツはもちろんスポーツじゃないよね。
でも俺は断じてスポーツだと思うし、eスポーツが盛んになっていくことによって、変わっていくことがあると思う。
例えば「スポーツの選択の自由」というのが、今の日本の若い子たちには、ほぼ与えられていない。
〇と△と▢もやって、というほとんどの国で当たり前のように行われていることが、日本では認められないわけじゃない。でもeスポーツはそこを変えてくれると思うのよ。
例えば「野球の才能は本当にない、でも野球しかやらないで終わってしまう子」って日本では一杯いるじゃない。「野球にむいてないから他のスポーツをやったら」という道が今の日本にはない。
でもeスポーツが盛んになることによって「スポーツの選択の自由」ということが当たり前になってくれば、日本のスポーツや国際競争力が今よりもはるかに高くなると思う。
埋もれている才能にスポットライトがあたるきっかけをeスポーツが与えてくれると思う。なので全面的にeスポーツを応援します!
――海外では季節ごとに部活が変わる国もありますもんね。
Kaneko 何年か前にあっちこっちで言って、結局広まらなかったけれど、スポーツを体育って訳したのが間違いであって「動楽(どうらく)」、動く楽しさがスポーツだと思うのよ。
盤上を駒が動く、画面の中をキャラクターが動く、あるいは自分が動く、動いている人を見て楽しむ、それがスポーツだと思う。
「スポーツ=動楽」と訳せばeスポーツは断じてスポーツだよね。
――僕もそうでしたけれど、汗をかかなければスポーツではないというような思い込みを壊していく為にはどうしていけば良いですか?
Kaneko eスポーツがポピュラーになることによって「これもスポーツなのになんで本家本元のスポーツとこんなに違うの?」という違和感が日本の社会を変えてくれると俺は信じている。
ゲームであり、何をやってもいい、いつやめてもいい。ファイナルファンタジーでクリアに失敗しても殴られる人はいないじゃない。日本人ってチャンスになると失敗を物凄く怖がるよね。
「ここで決めなきゃ!」という時点でガチガチになってしまう。野球にしてもサッカーにしても。それは体育であり懲罰がある世界で生きてきているから。
eスポーツの世界でも、もちろん勝つためにやっていて、勝つために挑戦する。でもそこで「失敗したらどうしよう」ってあんまり思わないよね。
日本の社会ではeスポーツの中にしか純粋なスポーツの感覚って今はないのかもしれない。
「失敗したらどうしよう、怒られたらどうしよう」って1ミリでも感じる感性があるとしたら、それはもうスポーツじゃないよね。体育だよね。
eスポーツが盛んになることによって、そのあたりの日本人の感覚が壊されていってくれたら嬉しい。そのことによって日本のスポーツはもっと強くなるから。
(了)
【KING GEARでeスポーツのライターを募集します】
「募集要項」
ライター経験があり、eスポーツの記事を書きたい熱意のある方
【申込方法】
メールにて以下の項目を明記の上、KING GEAR編集部まで連絡下さい。 → kinggear@ndpm.biz
① 氏名(ふりがな)
②これまでに書いた記事の媒体名や掲載記事のURL
③生年月日 ④電話番号 ⑤メールアドレス ⑥自己 PR
※大変恐縮ですが、編集部にて興味を持った方のみに詳細をメールにて送らせて頂きます。
――スポーツだと思います。サッカーの練習時間は2時間くらいですが、eスポーツの選手は15時間とか時には寝ないでやっていますよね。サッカー以上に身体を酷使しているのでスポーツと言っていいんじゃないかなと思います。
Kaneko 「言っていいんじゃないかな?」という感じね。
――100%胸を張って「スポーツです!」と言い切れないのは、サッカーだと大量の汗を流しますが、eスポーツはそこまで汗をかかないからかもしれません。
Kaneko じゃあ囲碁は?
――囲碁はスポーツといえばスポーツだと思います…。Eスポーツと同じだと思います。
Kaneko 体は痛くならないよ。
――将棋などもそうですよね?
Kaneko あるいはダーツもそうだよね。
――それらを一括りにしてもスポーツと言えると思います。なぜなら勝つために必死に練習をするから…。
Kaneko 歯切れが悪いよね。スパンと「スポーツだ!」って言えないじゃない。それは日本人にとってスポーツが体育と訳されちゃったからだと思うのよ。体を育む、それが体育。
なぜ体を育むかというと富国強兵の為で、いい兵隊さんを作る為に体育だった。けれどもいい兵隊を作るためにeスポーツはおよそ役立ちそうにない。囲碁もダーツにしても。ゴルフが一時期スポーツではないと言われたのも、同じ理由だと思う。
菊池くんが言っているように「苦しくて汗を流して体を鍛えるもの」じゃないとスポーツではないという思い込みが、なされてしまってるからだと思うんだ。
でもスポーツの試合って英語でゲームっていうじゃない。ファイナルファンタジーもドラゴンクエストもゲームだよね。
ファイナルファンタジーをやっていた人間が「明日からドラゴンクエストをやる」と言っても何にも問題がないわけだよね。
でも今日まで野球をやっていた人が「明日からサッカーをやる」となると何か裏切ったような感じになるじゃない。
――「乗り換えたのか!」みたいに言われそうですよね。
Kaneko 体育ということと道、「○○道」みたいなものによって、日本人のスポーツ感覚が物凄く特殊なものになっていると思う。そういう観点から抜けられない方からするとeスポーツはもちろんスポーツじゃないよね。
でも俺は断じてスポーツだと思うし、eスポーツが盛んになっていくことによって、変わっていくことがあると思う。
例えば「スポーツの選択の自由」というのが、今の日本の若い子たちには、ほぼ与えられていない。
〇と△と▢もやって、というほとんどの国で当たり前のように行われていることが、日本では認められないわけじゃない。でもeスポーツはそこを変えてくれると思うのよ。
例えば「野球の才能は本当にない、でも野球しかやらないで終わってしまう子」って日本では一杯いるじゃない。「野球にむいてないから他のスポーツをやったら」という道が今の日本にはない。
でもeスポーツが盛んになることによって「スポーツの選択の自由」ということが当たり前になってくれば、日本のスポーツや国際競争力が今よりもはるかに高くなると思う。
埋もれている才能にスポットライトがあたるきっかけをeスポーツが与えてくれると思う。なので全面的にeスポーツを応援します!
――海外では季節ごとに部活が変わる国もありますもんね。
Kaneko 何年か前にあっちこっちで言って、結局広まらなかったけれど、スポーツを体育って訳したのが間違いであって「動楽(どうらく)」、動く楽しさがスポーツだと思うのよ。
盤上を駒が動く、画面の中をキャラクターが動く、あるいは自分が動く、動いている人を見て楽しむ、それがスポーツだと思う。
「スポーツ=動楽」と訳せばeスポーツは断じてスポーツだよね。
――僕もそうでしたけれど、汗をかかなければスポーツではないというような思い込みを壊していく為にはどうしていけば良いですか?
Kaneko eスポーツがポピュラーになることによって「これもスポーツなのになんで本家本元のスポーツとこんなに違うの?」という違和感が日本の社会を変えてくれると俺は信じている。
ゲームであり、何をやってもいい、いつやめてもいい。ファイナルファンタジーでクリアに失敗しても殴られる人はいないじゃない。日本人ってチャンスになると失敗を物凄く怖がるよね。
「ここで決めなきゃ!」という時点でガチガチになってしまう。野球にしてもサッカーにしても。それは体育であり懲罰がある世界で生きてきているから。
eスポーツの世界でも、もちろん勝つためにやっていて、勝つために挑戦する。でもそこで「失敗したらどうしよう」ってあんまり思わないよね。
日本の社会ではeスポーツの中にしか純粋なスポーツの感覚って今はないのかもしれない。
「失敗したらどうしよう、怒られたらどうしよう」って1ミリでも感じる感性があるとしたら、それはもうスポーツじゃないよね。体育だよね。
eスポーツが盛んになることによって、そのあたりの日本人の感覚が壊されていってくれたら嬉しい。そのことによって日本のスポーツはもっと強くなるから。
(了)
【KING GEARでeスポーツのライターを募集します】
「募集要項」
ライター経験があり、eスポーツの記事を書きたい熱意のある方
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②これまでに書いた記事の媒体名や掲載記事のURL
③生年月日 ④電話番号 ⑤メールアドレス ⑥自己 PR
※大変恐縮ですが、編集部にて興味を持った方のみに詳細をメールにて送らせて頂きます。