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偶然の連続でビジャのパートナーに(Vol.2)

ヴィッセル神戸で引退したばかりのダビド・ビジャが経営し、世界6カ国、7都市に展開している DV7 Soccer Academy。7ヶ国目となる日本校が今春にスタートする。その経緯を日本におけるビジャのパートナーとなった、So Good Groupの小野壮彦氏と三宅亮輔氏に聞いた。

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――そしていよいよビジャと会うんですね。   

小野:はい、ヴィッセルのホームゲームに招待して頂きビジャに会うことになりました。試合後のミックスゾーンで、ニヤニヤしながらビジャが近づいて来て「俺と会う前に、家族全員と会ってきたヤツは初めてだ!(笑)」と。   

――フットワーク軽くスペインまで行った成果ですね。   

小野:直感に従って、ノリで動いているうちに、アストゥリアスという知らない土地に行って、いつのまにか。こういう話になったということですよね。   

――スペインに6月に行って8月くらいにビジャと神戸で会ったんですね。   

小野:そうです。彼らは常々「ローカルパートナーが大切なんだよ」と言っていました。

ビジャというネームだけで押しつけても、上手くいかないということは、彼らは色んな国で経験しているので、その土地のことをよくわかっていて、信頼できるビジネスパートナーを探して、その人とファミリーになって動くことが成功の鍵だと、学んだんですね。   

僕自身はというと、ずっとサッカー畑ではなく、ビジネス側の人間ですので、どうしても、よくわからないところがある。

そこで、サッカー畑で、ビジネスもしっかりできる三宅と一緒に組むことで、補完関係のチームが出来て、その結果、ダビドとビクトールに、信頼してもらえました。   

――まずは3月7日と8日に開催されるプレイベントですね。  

小野:まずは「はじめまして日本」ということで、DV7のことを知ってもらい、ビジャと触れ合ってもらうことが目的です。4月から年間スクールを3拠点(お台場、千葉ニュータウン、新横浜)でスタートするので、そこへの告知になればいいかなと思っています。   
――ビジャと一緒にボールを蹴れるのは凄いことですね!   

小野:ビジャと一緒の時間を過ごすことは、大袈裟でなく、お子様の人生を変える経験になるかもしれないと思っています。

人数には限りがありますが、多くの子供に出来るだけリーズナブルにプレーしてもらう機会を作りたいと、クリニックを企画しました。   

想定よりも早く申し込みをいただき、6日ちょっとで120名の枠がおかげさまでソールドアウトしました。関東圏だけでなく、全国からお申し込みをいただき、改めてビジャという存在の影響力を感じました。3月の当日が楽しみです。 

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――小野さんから見たビジャはどういう方なんですか?   

小野:昔、Jクラブ(ヴィッセル神戸)で仕事をしていたので、ストライカーってどういう人種なのかは何となくわかるんですよ。自然体で少しぼーっとしていたり、やたらギラギラしていたり。と、だいたい、日常でもどこかちょっと変です(笑)   

ところが、ビジャはラテンらしいチャーミングさや陽気さを持ちつつ、信じられないくらい人間が真っ当で、誠実な男なんですよ。そして、とにかく頭がいい。     

――何かエピソードはありますか?  

小野:以前、スポンサーになってくれる可能性がある会社の社長とランチ会をしたんですよ。神戸で練習の後、ビジャに駆けつけてもらって。3人で食事をしました。   

前日にビジャから「会うのはどんな方なんだ?」と連絡が入りまして。バックグラウンドや人柄などを丁寧に事前に教えてくれと、僕にお願いが来ました。   

そして当日の朝、「やっぱりちゃんとしたユニフォームをお渡ししたいけれど、これでいいか?」と。市販のものではなく、チームで支給される本物の試合用シャツにサインをする形で渡したいと。これで大丈夫?と事前に聞いてくるんですよ。 

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――まるで優秀なビジネスマンですね。  

小野:普通はマネジメントをする側の僕が、全部段取り組んで、お土産も用意していくべきですよね。あのスーパースターが細かく準備してくれることに、感心しました。   

もう少しいいですか?

食事の後、僕はその社長と2人で事務的な話しをしたかったので、彼を先に帰したのですが、直後にビジャからメッセンジャーで、「話をしたいので待ってるから」と。
  

三宮のレストランから2ブロック先の、コインパーキングで、ずっと待っていてくれたんですよね。電話してもわからなかったところ、彼はわざわざ車から降りて道に出て、向こうから手を振って呼んでくれるんですよ。おーいって(笑)

新神戸まで彼がハンドル握って、わざわざ送ってくれたのです。それで、道すがら、今日の会食はどうだったか?もっとうまくやるにはどうすればいい?と、フィードバックを求めてくるんですよ。そんな感じですね。スーパースター感が、いい意味でゼロなんですよ。   

――人としても本当に素晴らしい方なんですね。  

小野:ビジネスマンとしても、人としても、極めて当たり前のことを徹底的にやるんです。本当に仲間想いで、家族と子供たちをすごく大事にしているんですよ。   

自分で言っていましたが、「俺が何歳で代表チームに入ったか、知っている?17歳だよ。デビューは2部だからね。エリートじゃなかったから、自分を見失わないでこれたんだ」と。   

――だからこそ成功されたんですね。  

小野:他にもいろんな分野のスーパースターと会ったことはありますが、ここまで地に足がついて、しっかりしている方はいなかったです。   

そういえば、マドリードで、タクシーの運転手に「ビジャは好きか?」と聞いたことがあります。

「俺はレアルのファンなので、バルセロナやアトレチコは嫌いだけど、ビジャだけは例外だ!彼は炭坑夫の息子からスーパースターになった伝説の男。俺たちスペイン人の永遠のアイドルなんだ」と言われたことがあります。   

――そんなビジャからは人間性も学べますし、子供たちにとっては素晴らしいスクールになりそうですね。  

小野:どんな会社でも、リーダーの性格や人柄に会社の社格が似てくると思うんですよ。僕は、三木谷さんと前澤さんと、幸いなことに仕事をすることができましたが、そこで学んだのは、リーダーの器が会社の器を決めるということです。

その点、ビジャは偉大な経営者になる素養があると思います。   

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