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「負けるのは大嫌い」5連戦で1勝4敗もエディー・ジョーンズHCがジャパンの未来に抱く希望~後編~

『ラグビーリポビタン D チャレンジカップ 2024 』が6月22日から7月21日まで5戦行われた。1勝4敗の厳しい結果となった。総括インタビューの中で、エディー・ジョーンズHCが語った日本ラグビーの未来と大学生プレーヤーの果たす役割とは。※トップ画像提供/JRFU

Icon 1h0a0238 a%e6%ad%a3%e6%96%b9%e5%bd%a2 杉山夏子 | 2024/07/30

若手発掘の名手エディー・ジョーンズ

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昨年12月、9年ぶりに日本代表の指揮官に復帰したエディー・ジョーンズHCは、かつてのチームづくりと同様に才能を持つ若手選手の発掘と育成に努めてきた。

エディーがチームを率いた第一期(2012年から2015年)には、当時高校3年生だった山沢拓也を代表合宿に招聘し、「ジュニア・ジャパン」として練習試合に出場させて経験を積ませた。

そしてイングランドHC時代(2015〜2022年)にはSOマーカス・スミスを積極的に起用し、今ではイングランド代表に欠かせない存在に。今年6月22日の日本対イングランド戦(国立)では1トライ4ゴールの大活躍で存在感を示した。

そして日本代表のHCに監督した現在も、かつてのように大学選手権や高校日本代表候補合宿に積極的に足を運び、若手発掘にもエネルギーを注いでいる。

「伸びしろしかない」若手への期待

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エディーは『リポビタンDチャレンジカップ』の総括インタビューの場で「若いプレーヤーの育成といったところも、非常に目覚ましい」と評価し、矢崎由高(FB・早稲田大)の名前を何度も出し、その成長の様子を楽しみにしていることを語った。

「矢崎に関してはまだまだ大学生でアマチュアのプレーヤーでありながら、世界のトップランクのチームに対して 3 回のテストマッチに出場しています。こういった形で、それぞれの状況に関しては非常にうまく対応していたと思っていますし、今後も30 〜40 キャップと重ねる可能性のあるプレーヤーだと思うと、まだまだ未来がとても怖いぐらいなものだと思っています」

もちろん、矢崎だけではない。続けて国際試合での経験値の少ない選手に関してもこう評価した。

「これほど若いプレーヤーがたくさんいるチームというのは、伸びしろしかありません。すでに合計で500キャップであるチームでこのような結果で負けていてしまっているとすれば、それはとても心配です」

「矢崎を例に挙げますと、3試合で状況判断のスキルというのも、とても伸びたところがあると思いますし、彼本人も自分自身のラグビーをよりよくするためといったところの渇望は本当に深いものがあります。試合の後すぐに自分のもとにきて、『自分はどうすればもっといいプレーヤーになれますか?』と必ず聞きに来てくれます。」

選手自身も、成長へのひたむきな努力を惜しまないことがうかがうことができる。

成長過程のジャパン「魔法は効かない」だから高いレベルの経験を積み続けることが必要不可欠である

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若い選手たちの熱意を評価する一方で、「とても高いレベルでのラグビーをしないと経験にはなかなか至らないといったところだと思います」とも語った。

まだジャパンは「学んでいる途中」であるとし、「この次の3年間でそれぞれのプレーヤーがどれくらいのチャンスを手にして、どれくらいのラグビーを体現していくチャンスを得るのかということを考えると、本当にエキサイティングです。」であると期待を感じさせた。

「魔法をかけて 1 日一晩で良くなるものではないと思っていますので、ハードワークを続けて正しい方向性、自分たちの先を見据えながらハードワークを続けていくということがまず自分たちのできることです」。

成長の先に広がる世界を見据えて、若き才能を丁寧に磨き、着実により強いジャパンへ導こうとしている。

「日本ラグビーの未来は、確実に大学生、大学ラグビープレーヤーたちの手に委ねられている」

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今年4月からは日本代表として世界の舞台で活躍するワールドクラスの選手を育成することを目指し『JAPAN TALENT SQUADプログラム』を開始し、各大学と連携の上、選抜された大学生選手を対象にS&C(ストレングス&コンディショニング)及び栄養面における指導を行った。エディー・ジョーンズもスキルセッションで直接指導を実施。6月から7月に代表戦に出場した矢崎由高(早稲田大学)、マオリ・オールブラックス戦出場の佐藤健二(早稲田大学)、本橋拓馬(帝京大学)も選ばれていた。

6~7月の代表戦を終え、エディーは「矢崎には『大学に戻っている期間が非常に大事である』と伝えた」と語った。

「大学に戻ってからもインターナショナルプレーヤー、テストプレーヤーとして、トレーニングをし続けること。そしてプレーをし続けること。自ら培ってきた高いスタンダードをずっとやり続けて、早稲田大学のラグビー部も引っ張っていくといった意思が大切であると伝えました」

矢崎だけではない。今回テストマッチやマオリ・オールブラックス戦を経験した大学生たちが大学に戻ったときに「ここで今高いレベルでのラグビー、そしてトレーニングをずっとこなしてきた彼らだからこそ、大学のレベルも上げることができると思っているし、今後同じ高いスタンダードでトレーニングそしてプレーを続けるといったことが大切」であるとし、「大学ラグビーのレベルをあげることで、我々の未来にもかかってくる」と話した。

今後もラグビー日本代表は8月からのパシフィック・ネーションズカップやその後のテストマッチが続く。矢崎をはじめとする大学生は一度大学に戻るようである。彼らが今回の経験をチームに持ち帰り、その学びがどれだけ広がるか。数年後が楽しみである。

今後の主な日本代表試合日程

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「パシフィック・ネーションズカップ2024」

(プールA)フィジー、サモア、トンガ (プールB)カナダ、日本、アメリカ

プール戦 8月25日(日) カナダvs日本@バンクーバー(カナダ)

プール戦 9月7日(土)  日本vsアメリカ 埼玉(日本) 19時05分@熊谷スポーツ文化公園ラグビー場(埼玉)

準決勝  9月14日(土)~9月15日(日)@秩父宮ラグビー場(東京)

3位決定戦・決勝・9月21日(土) @東大阪市花園ラグビー場(大阪)


その他代表戦

10月26日(土)日本代表vsオールブラックス 日産スタジアム(神奈川)

11月9日(土)フランス代表vs日本代表 スタット・ド・フランス

11月24日(日)イングランド代表vs日本代表 トゥイッケナム・スタジアム