Catholique "My First Spike" n ° 8 Chung Ohnishi joueur (Shimizu S-Pulse) Vol.5 "Des seniors pour choisir les pointes et le temps libre." Episodes de l'ère nationale de la Corée du Nord "
在日3世として生まれ、北朝鮮代表としてW杯にも出場経験がある鄭大世選手。清水エスパルス入団前にプレーしていた韓国や、あまり語られることがなかった北朝鮮のスパイク事情、チームメイトとの交流について語ります。【加藤理恵】
KING GEAR Département Editorial
|
2017/07/18
<インタビュー第1回はこちら>
<インタビュー第2回はこちら>
<Cliquez ici pour la partie 3 de l'interview>
<Cliquez ici pour le 4ème entretien>
Kato:テセ選手は日本以外にも、色んな国に縁があるじゃないですか?韓国・北朝鮮・日本、そしてドイツも行っていました。それぞれの国でスパイクについて感じたことはありましたか?1番気になるのは、やっぱり北朝鮮代表なんですが。
Tesse:北朝鮮代表の選手達は協会から支給されたスパイクをもらうんですけど、常に足りていなくて、壊れても履かなきゃいけないんですよね。大体中国とかで安く買ってきてるけど、品質は最悪。もう履けりゃいいってぐらいで。
あとは在日蹴球協会の人が外国で買いだめしたスパイクを北朝鮮に行く時に持って行ったり、在日朝鮮人の選手が代表に選ばれると他の選手の分も日本で買って持っていく。
Kato:なるほど。こだわって選ぶという状況では到底ないわけですね。
Tesse:支給された物の中から好きな靴を履く。まず先輩から振り分けられるから、絶対に先輩が良いやつ持っていくんですよね。
Kato:あー、縦社会。
Tesse:超縦社会。
Kato:テセ選手や安英学選手(引退、元横浜FC)、梁勇基選手(ベガルタ仙台)も、代表では支給されるスパイクを履いているんですか?
Tesse:僕等はそれぞれの用具契約があるのでそれを履きます。僕らのスパイクを『余ってるから履いていいよ』って、あげることもありました。
Kato:チーム内ではどういうスパイクが人気でした?
Tesse:ナイキ、アディダスは先輩が取るよね。ナイキの『マキュリーアル』は2010年南アフリカワールドカップでは、ちょうど発売された時だったんで一番人気でしたね。
Kato:北朝鮮の選手は、ヨーロッパの試合とか観ているんですか?
Tesse:レアルの試合とかめっちゃ観てますよ。
Kato:じゃあヨーロッパの選手が何のスパイクを履いてるかっていうのも?
Tesse:分かるでしょうね。
Kato:そのスパイクに対する憧れは強いんでしょうか?
Tesse:強いでしょ。だって欲しいでしょ、それぞれが自分の履きたいスパイク履きたいでしょ。でも残念ながら、それは諦めるしかないんだよね。求めれば求めるほど疲れちゃうじゃん。
Kato:求めても買えるわけじゃない。
Tesse:でももしかしたら『スパイクに対する憧れが強い』ってわけではないかもしれないよね。ただ道具として履いてるだけかな。でもスパイクが送られて来た時はナイキとか、ビックメーカーの良さげなスパイクを履きたいと思う。まぁ、それは人間なら皆一緒なんじゃないですかね。
Kato:テセ選手が代表に行った時は、すんなりと迎え入れてもらえましたか?
Tesse:昔、北朝鮮代表が強かった時代は、『在日が北朝鮮代表入って、本当にプレーできるの?』みたいな扱いだったらしいです。在日朝鮮人の実力が全く不透明な状態だった。でも在日の先輩がその道なき道を行った。そして今につながる道を作ってくれたんです。
Kato:なるほど。
Tesse:僕らもなんだかんだお客様扱いでしたけど、今は日本のレベルが上がっているじゃないですか。Jリーグでプレーすることは、北朝鮮の人から見てもそれなりにステータスがあることなんで。
だから、正直今でもお客さん扱いに変わりないんですけど、実力面でいうなら在日選手を受け入れた方がいいです。
Kato:だいぶ浸透しているんですね。
Tesse:向こうの人も対応に慣れてますね。僕らに対しても『また来て!』って。代表でも、ある程度の結果を出せば隔たりは無くなるんで。
Kato:代表に行ったら、チームメイトと長い時間共に過ごすわけじゃないですか?練習時間以外はどんな交流をしてるんですか?
Tesse:やることがないからずっとカードゲームをやったり・・・。
Kato:トランプとかUNOとか?
Tesse:トランプやったな~。UNOは無いね。トランプをずーっとやる。
Kato:延々と?
Tesse:皆純粋ですからね、携帯も本もないし。
Kato:気晴らしに外にでかける事は?
Tesse:海外遠征時に動物園に行ったことはあります。でも娯楽は面白さがないね~。合宿では僕は安英学さんと同じ部屋で、在日同士はいつも一緒にいる。その在日の部屋には、ベテランで1番力を持った選手が来るから、若手はあんまり来れない雰囲気なんだよね(笑)。
若手も暇だから常にホテルをブラブラ周っていて僕らの部屋をちらっと覗きに来るんですけど、先輩がいるの見てどっか行く。先輩がいない時には来るんですけど(笑)。
Kato:韓国ではどうでしたか?
Tesse:韓国はもう日本と一緒です。1番強いのはナイキ。
Kato:しんどいことはなかったですか?
Tesse:う~ん・・・僕はすでに名前が売れた後で行ったんで特には無かったですが、在日の選手の中にはしんどい思いをした人もいるみたいです。特に代表だとね。
僕は韓国代表にも友達がいるので話を聞いたら、確かに“かわいそうだな”っていう状況になってはいたみたいだけど、集められたメンバーの中から脱落していくわけだから、在日に限らずお互い相当激しかったみたいですよ。そりゃ外から来た人に対しての風当たりは強くなるよね。
Kato:言葉の問題もあるでしょうしね。
Tesse:単純にコミュニケーションが取れないもんね。だから、それで誰が悪いっていうのはちょっと違うなって思うよね。それはそうなるだろうっていう。
Kato:まぁそれは日本でも同じような事があるかもしれないですからね。
Tesse:うん、あるでしょ。競争だからね。
<Vol.6に続く>
<インタビュー第2回はこちら>
<Cliquez ici pour la partie 3 de l'interview>
<Cliquez ici pour le 4ème entretien>
Kato:テセ選手は日本以外にも、色んな国に縁があるじゃないですか?韓国・北朝鮮・日本、そしてドイツも行っていました。それぞれの国でスパイクについて感じたことはありましたか?1番気になるのは、やっぱり北朝鮮代表なんですが。
Tesse:北朝鮮代表の選手達は協会から支給されたスパイクをもらうんですけど、常に足りていなくて、壊れても履かなきゃいけないんですよね。大体中国とかで安く買ってきてるけど、品質は最悪。もう履けりゃいいってぐらいで。
あとは在日蹴球協会の人が外国で買いだめしたスパイクを北朝鮮に行く時に持って行ったり、在日朝鮮人の選手が代表に選ばれると他の選手の分も日本で買って持っていく。
Kato:なるほど。こだわって選ぶという状況では到底ないわけですね。
Tesse:支給された物の中から好きな靴を履く。まず先輩から振り分けられるから、絶対に先輩が良いやつ持っていくんですよね。
Kato:あー、縦社会。
Tesse:超縦社会。
Kato:テセ選手や安英学選手(引退、元横浜FC)、梁勇基選手(ベガルタ仙台)も、代表では支給されるスパイクを履いているんですか?
Tesse:僕等はそれぞれの用具契約があるのでそれを履きます。僕らのスパイクを『余ってるから履いていいよ』って、あげることもありました。
Kato:チーム内ではどういうスパイクが人気でした?
Tesse:ナイキ、アディダスは先輩が取るよね。ナイキの『マキュリーアル』は2010年南アフリカワールドカップでは、ちょうど発売された時だったんで一番人気でしたね。
Kato:北朝鮮の選手は、ヨーロッパの試合とか観ているんですか?
Tesse:レアルの試合とかめっちゃ観てますよ。
Kato:じゃあヨーロッパの選手が何のスパイクを履いてるかっていうのも?
Tesse:分かるでしょうね。
Kato:そのスパイクに対する憧れは強いんでしょうか?
Tesse:強いでしょ。だって欲しいでしょ、それぞれが自分の履きたいスパイク履きたいでしょ。でも残念ながら、それは諦めるしかないんだよね。求めれば求めるほど疲れちゃうじゃん。
Kato:求めても買えるわけじゃない。
Tesse:でももしかしたら『スパイクに対する憧れが強い』ってわけではないかもしれないよね。ただ道具として履いてるだけかな。でもスパイクが送られて来た時はナイキとか、ビックメーカーの良さげなスパイクを履きたいと思う。まぁ、それは人間なら皆一緒なんじゃないですかね。
Kato:テセ選手が代表に行った時は、すんなりと迎え入れてもらえましたか?
Tesse:昔、北朝鮮代表が強かった時代は、『在日が北朝鮮代表入って、本当にプレーできるの?』みたいな扱いだったらしいです。在日朝鮮人の実力が全く不透明な状態だった。でも在日の先輩がその道なき道を行った。そして今につながる道を作ってくれたんです。
Kato:なるほど。
Tesse:僕らもなんだかんだお客様扱いでしたけど、今は日本のレベルが上がっているじゃないですか。Jリーグでプレーすることは、北朝鮮の人から見てもそれなりにステータスがあることなんで。
だから、正直今でもお客さん扱いに変わりないんですけど、実力面でいうなら在日選手を受け入れた方がいいです。
Kato:だいぶ浸透しているんですね。
Tesse:向こうの人も対応に慣れてますね。僕らに対しても『また来て!』って。代表でも、ある程度の結果を出せば隔たりは無くなるんで。
Kato:代表に行ったら、チームメイトと長い時間共に過ごすわけじゃないですか?練習時間以外はどんな交流をしてるんですか?
Tesse:やることがないからずっとカードゲームをやったり・・・。
Kato:トランプとかUNOとか?
Tesse:トランプやったな~。UNOは無いね。トランプをずーっとやる。
Kato:延々と?
Tesse:皆純粋ですからね、携帯も本もないし。
Kato:気晴らしに外にでかける事は?
Tesse:海外遠征時に動物園に行ったことはあります。でも娯楽は面白さがないね~。合宿では僕は安英学さんと同じ部屋で、在日同士はいつも一緒にいる。その在日の部屋には、ベテランで1番力を持った選手が来るから、若手はあんまり来れない雰囲気なんだよね(笑)。
若手も暇だから常にホテルをブラブラ周っていて僕らの部屋をちらっと覗きに来るんですけど、先輩がいるの見てどっか行く。先輩がいない時には来るんですけど(笑)。
Kato:韓国ではどうでしたか?
Tesse:韓国はもう日本と一緒です。1番強いのはナイキ。
Kato:しんどいことはなかったですか?
Tesse:う~ん・・・僕はすでに名前が売れた後で行ったんで特には無かったですが、在日の選手の中にはしんどい思いをした人もいるみたいです。特に代表だとね。
僕は韓国代表にも友達がいるので話を聞いたら、確かに“かわいそうだな”っていう状況になってはいたみたいだけど、集められたメンバーの中から脱落していくわけだから、在日に限らずお互い相当激しかったみたいですよ。そりゃ外から来た人に対しての風当たりは強くなるよね。
Kato:言葉の問題もあるでしょうしね。
Tesse:単純にコミュニケーションが取れないもんね。だから、それで誰が悪いっていうのはちょっと違うなって思うよね。それはそうなるだろうっていう。
Kato:まぁそれは日本でも同じような事があるかもしれないですからね。
Tesse:うん、あるでしょ。競争だからね。
<Vol.6に続く>