元体育会ソッカー部な国会議員!元榮太一郎(参議院議員&弁護士ドットコム株式会社 代表取締役会長)のJリーグを世界一のリーグへ 「第2回:株式会社ガンバ大阪前社長 野呂輝久Vol.4」
1993年当時のJリーグと同時期にスタートしたイングランドのプレミアリーグの市場価値は1対1であった。しかし、現在ではかなりの差をつけられている。「どうすればJリーグがプレミアリーグに追いつくほど盛り上がるのか?サッカーに携わる方々の待遇がより良くなるのか?」そんな課題に対して、元体育会ソッカー部の元榮太一郎が動いた。サッカー関係者から話を聞き、実行に移していく新企画。 第2弾は、ガンバ大阪の前社長として、パナソニックスタジアム吹田の建設などに尽力された野呂輝久氏との対談をお送りする。進行役はKING GEARの発起人である金子達仁が務めた。
Junichi Shiratori
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2019/11/26
元榮: 横浜FCの社長をされている上尾さんが、「Jリーグのファン層が高齢化している」というお話をされていました。25年前、Jリーグがスタートした時のファンは応援してくれているけれど、新しい層にはリーチできていないと。その辺りは、どのような見解をお持ちですか?
野呂: 大阪府は、およそ人口880万人で、「キタ」にあるガンバ大阪と、「ミナミ」にあるセレッソ大阪という2つのチームがあります。
一方の横浜市は、横浜F・マリノス、横浜FC、YSCC横浜の3チームがあり、スタジアムはニッパツ三ツ沢球技場と日産スタジアムを使っています。
ニッパツ三ツ沢球技場は、収容人数15000人。かたや日産スタジアムは70000人です。「帯に短し、襷に長し」の状態になってしまっていますよね。
元榮: 横浜の場合は、スタジアムがネックということですかね?
野呂: そうですね。横浜F・マリノスは、平均して25000人くらいは観客動員があるんですが、70000人のスタジアムだとガラガラに見えてしまう。
でも、専用スタジアムのニッパツ三ツ沢球技場を使うと、入場できない人が出てきてしまうという感じです。
元榮: なるほど。
野呂: スタジアムは、いわば「舞台」です。個人的には、街中に専用のスタジアムがあって、安全で快適に試合が見られる。
その後に、チームの成績や、顧客層の分析があると思っています。まずは、「夢の舞台」を整えることが大切だと思いますよ。
元榮: ご指摘の通りですね。既存のスタジアムが抱えている問題点は、何でしょうか?スタジアムへのアクセス、トイレなどの環境、あとは屋根とかが多いんですかね?
野呂: そうですね。特に「快適」というのが重要です。競技は違いますが、広島東洋カープの本拠地、マツダZOOM ZOOMスタジアムは理想ですよね。
試合を見ながらバーベキューが出来たり、さまざまなスタイルで楽しめますから。パナソニックスタジアム吹田でも、エキサイティングシート、バルコニーシート、VIPラウンジやルームといったさまざまなシートを設置しまして、最近では完売するようになりました。
元榮: 販売価格はいくらなんですか?
野呂: スタンドのVIPバルコニーシートは飲食付きで、25000円ですね。海外だと50000円くらいだったんですが、日本ではもう少し価格を抑えた方が良いと考え、半額にしました。
元榮: ダイナミックプライシングとかも使えば、もっと収益が上げられる可能性を秘めていますよね。
野呂: 以前、ロサンゼルスで、レイカーズの試合を見たことがあるんですが、最前列は30万円でした。
ニューヨークのマディソンスクエアガーデンにもVIPルームが99室あり、1年間に行われる400公演を全部観られる権利が1億円。
全室で年間売り上げが約100億円です。ここまで価値を上げられたら理想的ですよね。
元榮: なんか、羽振りいい話で、いいですね。VIP席の「100室限定」っていうプレミアム感がいいですよね。
さまざまなビジネスにも使えますし、価値も上がるように思います。日本でも、このようなビジネスは可能性があると思うんですが、まだ本格的に取り組んでいる人はいませんよね?
野呂: 誰かが始める必要があると思いますね。出来ることなら、東京23区のクラブでやってみてほしいです。
23区の人口は950万人です。イギリスのロンドンは人口が813万人で、5つのサッカークラブがしのぎを削っています。東京ドームのような街中に、スタジアムがあるだけで、まったく状況が変わってくると思いますよ。
元榮: お金が集まるようなサッカー界に変化していけばいいということですかね?
野呂: そうです。「ニワトリとタマゴの理論」なんですけどね。ガンバ大阪は、企業や助成金に頼りましたが、スタジアム作りのモデルを作りました。この流れを全国に広げていきたい。
元榮: スタジアムを作る方法は、他にありますか?
野呂: 民設民営でいいんじゃないですか?
建設費は200億円くらいでしょうか。スポーツ以外にも、エンターテイメント施設やアリーナとして多方面の収入パターンを考える必要がありますけど、それさえクリアに出来れば収益化は可能だと思いますよ。
元榮: 昨今、注目している面白い事例はありますか?
野呂: V・ファーレン長崎の取り組みですかね。親会社のジャパネットホールディングスの高田社長が、スタジアムとアリーナを中核としてホテルや商業施設を組み合わせたスタジアムシティを、2024年頃までに作ろうとしています。世界でも珍しい事例なので、期待が持てますね。
ただし、スタジアムの周辺にいろいろな商業施設やホテルをつくるだけではいけないと思います。 一番大切なのは、いわゆるコンテンツであるサッカーチームやバスケチーム、そしてエンターテイメントのアーティストが観客を魅了することです。
それを支えるのが周辺施設であるということを肝に銘じておかなければなりませんね。 モノからコトへ、ハコからコンテンツへ、ということです。
元榮: 完成したら面白そうですね。今後もそういう事例がどんどん出てくると、盛り上がりますよね。あれ、長崎のスタジアム構想は、野呂さんがアドバイザーなんですか?
野呂: ええ、一応は(笑)。
元榮: これは期待できますね(笑)。
野呂: 大阪府は、およそ人口880万人で、「キタ」にあるガンバ大阪と、「ミナミ」にあるセレッソ大阪という2つのチームがあります。
一方の横浜市は、横浜F・マリノス、横浜FC、YSCC横浜の3チームがあり、スタジアムはニッパツ三ツ沢球技場と日産スタジアムを使っています。
ニッパツ三ツ沢球技場は、収容人数15000人。かたや日産スタジアムは70000人です。「帯に短し、襷に長し」の状態になってしまっていますよね。
元榮: 横浜の場合は、スタジアムがネックということですかね?
野呂: そうですね。横浜F・マリノスは、平均して25000人くらいは観客動員があるんですが、70000人のスタジアムだとガラガラに見えてしまう。
でも、専用スタジアムのニッパツ三ツ沢球技場を使うと、入場できない人が出てきてしまうという感じです。
元榮: なるほど。
野呂: スタジアムは、いわば「舞台」です。個人的には、街中に専用のスタジアムがあって、安全で快適に試合が見られる。
その後に、チームの成績や、顧客層の分析があると思っています。まずは、「夢の舞台」を整えることが大切だと思いますよ。
元榮: ご指摘の通りですね。既存のスタジアムが抱えている問題点は、何でしょうか?スタジアムへのアクセス、トイレなどの環境、あとは屋根とかが多いんですかね?
野呂: そうですね。特に「快適」というのが重要です。競技は違いますが、広島東洋カープの本拠地、マツダZOOM ZOOMスタジアムは理想ですよね。
試合を見ながらバーベキューが出来たり、さまざまなスタイルで楽しめますから。パナソニックスタジアム吹田でも、エキサイティングシート、バルコニーシート、VIPラウンジやルームといったさまざまなシートを設置しまして、最近では完売するようになりました。
元榮: 販売価格はいくらなんですか?
野呂: スタンドのVIPバルコニーシートは飲食付きで、25000円ですね。海外だと50000円くらいだったんですが、日本ではもう少し価格を抑えた方が良いと考え、半額にしました。
元榮: ダイナミックプライシングとかも使えば、もっと収益が上げられる可能性を秘めていますよね。
野呂: 以前、ロサンゼルスで、レイカーズの試合を見たことがあるんですが、最前列は30万円でした。
ニューヨークのマディソンスクエアガーデンにもVIPルームが99室あり、1年間に行われる400公演を全部観られる権利が1億円。
全室で年間売り上げが約100億円です。ここまで価値を上げられたら理想的ですよね。
元榮: なんか、羽振りいい話で、いいですね。VIP席の「100室限定」っていうプレミアム感がいいですよね。
さまざまなビジネスにも使えますし、価値も上がるように思います。日本でも、このようなビジネスは可能性があると思うんですが、まだ本格的に取り組んでいる人はいませんよね?
野呂: 誰かが始める必要があると思いますね。出来ることなら、東京23区のクラブでやってみてほしいです。
23区の人口は950万人です。イギリスのロンドンは人口が813万人で、5つのサッカークラブがしのぎを削っています。東京ドームのような街中に、スタジアムがあるだけで、まったく状況が変わってくると思いますよ。
元榮: お金が集まるようなサッカー界に変化していけばいいということですかね?
野呂: そうです。「ニワトリとタマゴの理論」なんですけどね。ガンバ大阪は、企業や助成金に頼りましたが、スタジアム作りのモデルを作りました。この流れを全国に広げていきたい。
元榮: スタジアムを作る方法は、他にありますか?
野呂: 民設民営でいいんじゃないですか?
建設費は200億円くらいでしょうか。スポーツ以外にも、エンターテイメント施設やアリーナとして多方面の収入パターンを考える必要がありますけど、それさえクリアに出来れば収益化は可能だと思いますよ。
元榮: 昨今、注目している面白い事例はありますか?
野呂: V・ファーレン長崎の取り組みですかね。親会社のジャパネットホールディングスの高田社長が、スタジアムとアリーナを中核としてホテルや商業施設を組み合わせたスタジアムシティを、2024年頃までに作ろうとしています。世界でも珍しい事例なので、期待が持てますね。
ただし、スタジアムの周辺にいろいろな商業施設やホテルをつくるだけではいけないと思います。 一番大切なのは、いわゆるコンテンツであるサッカーチームやバスケチーム、そしてエンターテイメントのアーティストが観客を魅了することです。
それを支えるのが周辺施設であるということを肝に銘じておかなければなりませんね。 モノからコトへ、ハコからコンテンツへ、ということです。
元榮: 完成したら面白そうですね。今後もそういう事例がどんどん出てくると、盛り上がりますよね。あれ、長崎のスタジアム構想は、野呂さんがアドバイザーなんですか?
元榮: これは期待できますね(笑)。